48.仲良くケーキを食べにきました
さて、色々あった14歳の色々あったお出かけ編は無事と言えば無事に終わり、ついに私達はあっという間に15歳になった。つまり、来年の春には運命の学園生活がスタートすることになる。
で、そんな私達が今何をしているのかと言うと……
「はい!お姉様!あ〜ん!」
「ちょっ!?アリー!流石にもう入らないわ……」
「もう……お姉様はいくら食が細いって言っても食べな過ぎですよ……」
「私の代わりにアリーが食べてくれればいいから。はい。あ〜ん!」
「あ〜ん!……んぐぅ……ごくっ……ん〜!このフルーツタルトも美味しいです!お姉様!」
ノイエル町のスイーツ店「パルフェリア」で姉妹仲良くケーキの食べさせあいっこをしてました。
14歳のあのお出かけをきっかけに、私達2人は最近よく2人で出かけるようになりました。最初こそ「あ〜ん!」にはドギマギしたけれど、何回もやってる内にだいぶ慣れてきたわ。まぁ、油断すると妹が可愛い口を開けて待ってる姿に気絶しそうになるけど……
「あのぉ〜……アンナ様とアリー様は本当にお忍びで来たんですか……?」
私達2人をジト目で睨んでいるのは、この「パルフェリア」の店員で、ノエルが2号店を出店するならパティシエ兼オーナーをこの娘にしたいと推しているシエルである。
「当たり前じゃない。だから、王都民が着るような服着て来てるでしょ」
「いや、それでも注目されてるんですけど……」
シエルは呆れた溜息をつきながらそう言った。まぁ、確かに視線には気づいてるよ。けど、それも仕方ないわ。だって……
「うちの可愛くて天使で女神みたいな妹はどんな服を着てもそのオーラだけは消せないから仕方ないわ」
「それを言うならお姉様も、今日のお召し物を着てるお姉様は隠せない輝きを放ってますよ!」
ふふふ……うちの妹はお世辞も上手くて本当に愛らしいわねぇ〜!うちの妹は世界一の可愛さだわ!
「はぁ〜……この姉妹は本当に……こんな美人な姉妹が来てイチャイチャしたらそりゃあ注目されるし、変な輩が声をかけないように私が傍にいるって分かってるのかな……」
シエルが何やらブツブツと呟いてるけど、疲れてるのかしら?ちゃんと週休2日でお休みは与えてると思うのだけど……
っと……そう言えばここに来たのは妹と仲良くケーキの食べさせあいっこする為だけじゃなかったわ。8割方それが目的だけど……
今日は「パルフェリア」の近状も聞きたくてやって来たんだったわ。目の前にアリーはいるけど、さり気ない感じにシエルに近状を聞き出しましょう。
「おい!この店は本当にどうなってるんだ!?」
私がシエルに近状を聞き出す前にトラブルが発生したみたいね……
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