104.急がなきゃ!!?

そして……目が覚めた時、私がどうしてアンナ・ステインローズとして転生したのかを思い出した。


私は思わず飛び起きる。私が急に飛び起きてびっくりしたのか、ヒエンが驚いて目を見開いている。けれど、今はそんな事を気にしてる余裕なんてない。


「ヒエン!?今って何月の何日!?時間は!?」


私がヒエンの肩をガシッと掴んで聞くと、ヒエンは驚きつつも、ちゃんと答えてくれた。


「えっと……今日は10月1日で……時間は……先程授業終了を告げる鐘の音がしましたが……」


マズい!!?その日!その時間は!「私」がアリーに犯行を行う時だ!?どうして気づかなかったの!?私!?アレ程気をつけていたのに!?自分がアンナ・ステインローズだからって油断しすぎていたのか!?確かに、今「私」の身体には私が宿っている。だから、犯行を犯すはずはないけれど……物凄く嫌な予感がする……


そして、その嫌な予感を裏付けるかのように……


「きゃあぁぁぁ〜!!?」


突然の強風が窓を叩き、その窓から人が1人私の部屋に吹き飛ばされるように入ってくる。


「レイカ!!?」


「……ッ!?申し訳ありません!!アンナ様!!アリー様をお止めする事が出来ませんでした!!」


レイカのその言葉で全て察した私は、今度は私が窓から飛び降り地面に着地した。


「なっ……!?お前どこから……!!?」


ちょうど私が降り立ったのが寮の入り口だったのか、寮に入ろうとしているヴァン王子とバッタリ会ってしまった。


「ヴァン王子!すいません!話してる余裕がないんです!?」


一応、ヴァン王子にそれだけ告げて私は走る。しかし、何故か私の後をヴァン王子も追ってきていた。


「何ですか!?寮に戻れって命令なら聞くつもりはありませんよ!!?」


私はヴァン王子の方を振り向かずにそう聞いた。


「そんな事をするつもりはない……!お前がそれだけ必死になるという事は、アリー嬢がピンチなんだろう……!だったら、俺も行く……!」


ヴァン王子はそう言って必死になって私の後を追って行った。流石はアリーの攻略対象者。見直したわ。ほんの少しだけ、アリーの婿として認めてあげなくもないわね……


私が、頭の片隅でそんな事を考えていた時だった……


「ッ!?危ない!?ヴァン王子!伏せて!!!」


「なっ……!?」


私達の目の前で突然爆発が起き、私は慌ててヴァン王子を無理矢理伏せさせて爆風に備えさせた。


「謹慎処分はまだ解けてないですよ。アリー・ステインローズ伯爵令嬢……」


「カイン王子……!」


「兄上……!?」


どうやら私達に向けて魔力弾を放ったのはカイン王子のようだ。そして、そのカイン王子の側には、グラン様・ケイン・リンクスの3人がいた。


そして、全て思い出した私は、その4人に「私」と同じ黒い靄が絡みついているのが見えていた……

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます