28.叔父は「私」に似ていたけれど、愛すべき妹に手を出したのでお仕置きです
報告書を読んで、私はこの叔父をクズ認定したが、けど何故だろう……何かが心に引っかかり、私はそれを考えて、一つの結論に至った。
「あぁ……そうか……似てるんだ……『私』に……」
私の呟きが聞こえたのキョウカは「何処がですが?」と言わんばかりに眉根を寄せたが、特に何も言ってこなかった。
そう叔父とゲームの「私」は似ているんだ……優秀すぎる弟や妹への劣等感を抱いているところが……
違いをあげるなら、叔父は優秀な弟に勝るのを諦め堕落したが、「私」は最後まで抗って最終的には最悪な方向に堕ちてしまった事だろうか……
まぁ、叔父が「私」に似てるからって容赦をするつもりはない。このままだと、叔父が私の可愛い可愛い可愛い……(以下長いので省略)妹に害を成す可能性が非常に高い。
「叔父を潰しに行くわ。分家屋敷にいる者達は任せたわよ!」
私はそう言ってキョウカのお尻をバシンと叩いた。
「ひゃい……♡お任せを……♡」
うん。頼もしい返事だ。という事にしてください……
ステインローズ伯爵家分家当主は苛立っていた。自分が差し向けた息子がいつまで経っても、弟の娘を落とせていない事に……
「くっ……!こうなったら……!この薬を使うように言って既成事実を……!」
「はぁ〜……ここまで腐ってたら……もうどうしようもないわね〜……」
突然、自分の部屋に侵入者が現れ驚愕する分家当主。が、更に驚いたのは、その侵入者が10歳ぐらいの少女だった事である。
「な……!?何者だ……!?貴様は……!!?」
「はじめまして。叔父様。私、アンナ=ステインローズですわ」
「アンナ=ステインローズだと……?」
その名前には聞き覚えがあった。弟の娘は双子で、確か姉の方が妹よりも魔法の力が劣っていて、自分と同じく劣等生扱いを受けていると……
「弟の娘が一体私に何の用だ!!?」
「そうですね〜……本当はこの分家をなくして、あなたはノイエル町に受け入れようかと思っていたんですが……」
「はぁ……?一体何を言って……」
「私の……可愛くて愛らしくて天使か女神か奇跡の体現者のような妹に手を出そうとするのは絶対に許さない!!!」
アンナはそう言って分家当主を殴り飛ばし、分家当主は軽く吹っ飛ばされ気絶した。ちなみに、こんな騒ぎが起きたのに、屋敷の使用人達は誰もその事態を把握出来なかった。
そして、後日……マダムAにより、分家当主の悪行が浮き彫りにされ、分家当主は投獄の身となった。
分家当主の屋敷は、ステインローズ伯爵が、分家当主の悪行を暴いてくれたお礼にと、マダムAに託され、分家当主の屋敷はノイエル町の会議施設として使われる事となったのだった。
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