閑話.攻略対象者達の反応

「ありがとうございましたぁ!!」


リンチェルは2人を着せ替えしまくった事でホクホク笑顔で2人を見送った。着せた服は全部2人にプレゼントするとまで言い出し、一悶着になり、結局アンナがオーナーにステインローズ家に届け、料金もそこで貰ってくれと頼んだ事で解決となった。


そして、そんな姉妹のファションショーを一部始終眺めていたヴァン王子達。ヴァン王子は3人がすぐに移動しないので声をかけた。


「おい、2人の後を追うんじゃないのか?」


ヴァン王子に声をかけられ、他3人はようやくハッと我に返って2人の後を追い始めた。



そして、2人の後を追うなかで、カイン王子が何気なくこんな言葉を呟いた。


「本当に……あれはアンナ・ステインローズ嬢だったんだろうか……?」


そんなカイン王子の呟きに、グランとケインも沈黙で同意の意を示した。

恐らく、3人は今回アンナが着飾った姿に見惚れてしまったのだろうと、ヴァン王子は推察した。何故なら、自分も同じだから……。


普段の彼女は自分を魅せるようなマネは絶対にしない。それは、アンナの本性を知るヴァン王子にはなんとなく分かっていた。

その理由は、妹をより目立たせる為だろう。自分の見た目があまりに野暮ったくなれば、必然的に可愛い妹に目がいく。それが、人間心理というやつだ。だから、アンナはそれも計算に入れてやってるのだろう。


まぁ、最も、アンナはそれを意図してやってる訳でなく、妹以外はどうでもよく、自分を着飾るのなんて面倒だと思ってるだけなのだが……


が、アンナはアリーの双子の姉だ。見た目だって決して悪い訳じゃない。スタイルの方は常に隠すような服のせいで分からなかったが……

それでも、そのアンナがちゃんと着飾れば、アリーに夢中になっていた3人もご覧の有様である。まぁ、だからと言ってアリーからアンナに心変わりした訳ではなさそうであるが……


もう自分は完全に彼女とは契約上の婚約を結んだ為、今更かもしれないが、自分の判断はかなり勿体無かったのではないかと、ヴァン王子はそう思うのだった……

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