61.試験官の人は超有名人でした

さて、「リリカルスクール」の入学式を終え、翌日私達が行うのは……テストだ。しかも、ペーパーテスト。


まぁ、いくら魔法専門学園とは言え、基礎教養は大事だからね〜。そこにプラスして、魔法学という魔法専門の学問もあるから、こういうペーパーテストがあっても特に不思議ではない。


とりあえず、このペーパーテストのシーンは特にこれと言った物もないので、割愛されてもらい、更にその翌日こそ、私も若干の期待を寄せている魔法実技の試験である。


「それでは、これより魔法実技の試験を開始しますが、負けたからと言って特に点数に響く訳ではありません。あくまで、皆さんの今の実力を見る為のテストですので、気楽な気持ちで受けてくださいね」


試験官らしき女性がそう説明をするが、何故か周りの人が皆ザワつきながら試験官を見てるけど……そんなに有名人なのかしら?


「アレが噂の『紫炎』ですか……」


私の隣で控えていたキョウカがボソリとそう漏らした。


「ん?キョウカ。あの人知ってるの?」


「むしろお嬢様が何で知らないのかが不思議なんですが……」


キョウカが呆れたような溜息をついてそう言った。仕方ないじゃない。ゲームに出てきた登場人物なら覚えてるけど、それ以外の人物になると流石に覚えきれないわよ。マダム・Aとして活動しなきゃいけなかったりもしたし……


「彼女はアスカルド侯爵の養女で、ヴィオル・アスカルド。属性は火属性で、紫色の炎を扱う事から『紫炎』と呼ばれていて、魔法省の五大トップの1人です」


はぁ〜……『紫炎』という異名があって、魔法省の五大トップの1人か……それは確かに有名人だわね……しかも、五大侯爵の内のアスカルド侯爵の養女とか……ん?養女?


「あの人はアスカルド侯爵の養女なの?」


「はい。一応養女って事になってます」


「一応って……キョウカにしては曖昧ね……」


「その辺に関する情報だけは何故か探れないんですよね〜……一応、噂ではヴィオルさんは平民出身で、高い魔力を見込まれてアスカルド侯爵の養女になったというのが1番有力視されてますが、細かい情報は分かりませんね〜……」


キョウカでも探れないならそれはもう探るのは難しいわね……なんせ、そういうのがキョウカの得意分野な訳だし……しかし、何でそんな有名人が試験官なんか……


「魔法を教える専門教師としいのが、ウィンドガル王国ではまだ出来ていませんから、魔法省の人間が教員としてやって来るパターンはありますよ」


ほう……そうなのね〜……って流石はキョウカ。私の疑問を察して答えてくれたわ。流石は性癖以外は優秀メイドね。


「ただ、もう一つスカウトの目的もありますね」


「スカウト……?」


「魔法省もいい人材は確保したいですからね〜」


なるほど。確かにそれを考えたら、教員になって魔法省への就職を薦めるのも一つの手か。特に、今年はアリーという優秀すぎる逸材がいる訳だしね〜。向こうも必死か……

ん?でも……その為だけに『紫炎』と呼ばれている魔法省のトップの1人を試験官として派遣するかしら?


と、私がそんな風に考えていると、私は視線を感じで振り向くと、私に視線を送っていたのはその考えていた『紫炎』のヴィオル・アスカルド侯爵令嬢だった。

私は彼女とバッチリと目が合ってしまい、彼女もそれに気づくと優雅に私に微笑んだ。えっ?何?その意味ありげな微笑みは?私……彼女と知り合った事は一度もないはずなんだけど……


しかし、彼女はすぐに私から視線を外し、私達を見て、試験開始を告げた。


「試験は簡単な魔法による一対一の模擬試合になります。呼ばれた2人は前に出て模擬試合テストを行ってくださいね。では、まず……アリー・ステインローズさん!アンナ・ステインローズさん!よろしくお願いします!」


初っ端から私とアリーが試験を受ける事になった。しかも、お互い戦い合うという形で……

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