2.超絶可愛い妹がチートならそのおこぼれをもらった私もチートでした
「……ハッ!!?」
見上げれば、よく見慣れた天井が……ここは……私の部屋ね……そうか……私……超絶プリチー可愛い妹笑顔にやられて倒れたんだったわね……
「お嬢様」
「ようやくお目覚めになりましたか」
私が目を覚ますと声が聞こえたので、私は起き上がり声のした方を振り向くと……
「ヒエン……レイカ……って!?何であなた達が私の部屋にいるのよ!?あなた達はアリーの専属でしょ!アリーの側にいなきゃダメでしょ!!」
「そのアリー様に頼まれたのです」
「アンナお嬢様をみてるようにと」
なるほど……そういう事ね……うん。こんな私にも優しくしてくれる妹はやっぱり最高の天使だわ!!もう女神の域に達したんじゃないかしら!!
「ところで、お嬢様……」
「何故お嬢様は本当の実力をお隠しになるのですか?」
妹の可愛さに悶えてる私に、溜息をつきながらもそう聞いてきた2人。まぁ、この2人は私の本当の力を知ってるから疑問に感じても無理ないかもしれないわね。
「そんなの決まってるでしょ。妹を守る為よ」
私はいつも通りなんて事ない感じにそう答えた。
時は、5歳にまで遡る。前世の記憶を思い出した私は、妹を守る為にはまずは力が必要だと思った。そこで、私はまず魔法の力に目をつけた。
魔法はどの国でも大きなステータスだ。力的な面はもちろんのこと、生活面においても、魔法は使われている。魔法が使えない人の為に、魔法の力がこもった魔具という道具も、作製してるのは魔法省の職員。つまり、魔法が使える者なのだ。
が、残念ながら私は知ってしまっていた。アンナ・ステインローズが魔力数値100で、魔力属性が地属性というしょっぼいステータスである事を……
この程度では、妹を守るどころか、妹に守られる立場になってしまう。それは誠に遺憾である。
とにかく、今からでも己の実力を知り、己を磨けばなんとかならないかと思い、お父様におねだりして、魔力測定器を予備も含めて2台入手してもらった。
そして、私は己の実力を知る為に魔力測定器に手をかざしたら……
ボンッ!!!
「……はへ?」
思わず間抜けな声が出てしまったが、まさかやり方を間違え故障させてしまったか?と思い、私は今度は説明書らしきものをじっくり読んでちゃんと測定したのだが……
ボンッ!!!
予備の測定器でも結果は同じだった。しかも、魔力属性判定パネルは壊れてなかったのでそれを確認したら……
『無』
と、表示されていた。はて?『無』とはなんぞや?もしかして、これもやっぱり故障したのか?と、私は若干落胆した気持ちになったが、通いつめていた魔法図書館で私は驚愕の事実を知る。
魔力属性には火・水・地・風・氷・雷の六属性に加え、かなり珍しい属性の光と闇がある。
これが、一般的な属性で、この他にも特殊な属性が様々あるらしいが、それらより最も特殊な属性、それが無属性である。
無属性と言われると、魔法を無効にする能力かと思う人もいるだろう。私もこれだけを見知っただけならそう思っただろう。が、実際は全然違った。
無属性、それはこの国の初代女王であるアイリーン様が持っていた属性で、その力とは、己の研鑽を積み方次第で、あらゆる属性の魔法を行使することが出来るというチートな属性だった。
そう!無属性の無の意味は無効ではなく無限を意味するものだった!
それを知った私は、それはもう魔法の研鑽に励んだ。魔法関連の書物を全部読み漁り、密かに魔法の練習をした。こうして、私は様々な魔法を覚えていった。
しかし、アンナ・ステインローズにこんなチート能力なかったはずなんだけど……私という魂が入ったせいでバグが起きたのか……あるいは、妹を守る為に励もうとする私に、妹の神様が力を授けってくださったのか……まぁ、なんにしてもありがたい話である。
そして、8歳の魔力検査当日の日にはすでに私は、大魔導士すらびっくりの魔法を行使出来るようになっていたのである。
で、そんな私が魔力検査当日にしたのが、魔力測定器を弄って、私の魔力数値や属性をゲームのアンナ・ステインローズと同じにしたのである。
えっ?何でそんなことをしたのかって?それはもちろん……妹の幸せの為だ!!
ほら!最近の悪役令嬢転生物って言ったら、悪役令嬢が悪役令嬢として機能しないせいで、ヒロインよりも悪役令嬢がモテモテになるパターンがあるでしょ!?それではダメなのだ!私がモテモテになるんじゃなくて!超絶最高プリチーである妹がモテモテとならなければ私のシスコン魂が許さないのだッ!!もちろん!妹がモテモテになったからと言って、妹に相応しくないと思った奴は即排除する!そう!私は悪役令嬢になる気だ!それはヒロインである妹をいじめる悪役令嬢ではなく!妹に相応しくないキャラを排除する悪役令嬢に!!
こうして、私の悪役令嬢計画は着々と進行していくのであった。
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