3.周りが私にたいして冷ややかですが、両親は優しく妹は天使なので何も問題ありません

今回の魔力検査の結果で、周りの者達に変化が生じた。アリーには……


「アリー様!お着替えするのをお手伝いいたしますわ!」


「アリー様!湯浴みするなら私がお手伝いを!」


「アリー様!肩凝ってらっしゃいませんか!?マッサージいたしますわよ!!」


と、言った感じで自ら名乗り出るように、アリーの世話をしたがるメイドが続出している。が、たいして私には……


「あら?ステインローズ家の恥さらしよ」


「ちょっと!あなた!声が大きいわよ!まぁ、事実だけどさ」


「あんな魔力結果でこの屋敷を堂々と闊歩していて恥ずかしくないのかしら?」


とまぁ、あからさまに聞こえる陰口や嘲笑をし、アリーのように自ら進んで世話したいと言い出すメイドは1人もいない。というか、一応私はこれでもここの家の令嬢なのに、こんな陰口言って私が密告して解雇されてしまう心配とかしないんだろうか?この娘達は……まぁ、そんな面倒な事しないんだけど……


まぁ、こうもあからさまな態度の違いも無理からぬ事で、魔力の高いアリーは必然的に高い地位に名誉が約束されたも同然なのである。そんなアリーの従者になる事は、従者としても誉れとなり、よっぽどの事情でクビにならない限りは、アリーの従者になったという事実だけで、どこでも雇ってもらえるのである。だから、こんなクソ低い魔力の持ち主の私に構うより、超絶プリチー美少女のアリーに仕えた方が正解なのである。


後、もう一つの理由はヒエンとレイカの件だ。ヒエンとレイカをアリーの専属メイドにするのを私が推薦したのはすでに知れ渡っている。アリーの専属メイドなんて永遠の安泰職を私如きに奪われて逆恨みしているのだ。

まぁ、私から言わせてもらえば、打算的にアリーに付き従うメイドより、ちゃんとアリーを守ってくれるメイドが欲しかったので、その点ヒエンとレイカは安心安全なのだ。しかも、ヒエンとレイカはメイドとしての家事スキルはもちろんだが、護衛能力としても文句の付け所がないので、余計に私に逆恨みをぶつけるしかないのである。


そんなメイド達のあからさまな現状を把握してる両親は……


「アンナ。大丈夫だよ。他の者達の言葉を気にしてはいけないよ」


「そうよ。あなたも私の可愛い娘なのだから」


と、優しい両親は私にいつもそう声をかけてくれる。

ちなみに余談だが、父の名前はアルフ・ステインローズ。茶髪に茶色の瞳のいかにもなダンディイケメン貴族だ。

そして、母の名前はクレア・ステインローズ。銀髪の長い髪に青い瞳の美女だ。その微笑みはまるで女神様だ。うちの超絶プリチー美少女アリーは将来こんな感じになるんだろうな〜……ここまで成長する姿が見れないのは残念だ……なんせ私は15歳で投獄される予定になってるのだし……

それと、アリーと私の違いだが、目のつり上がり具合の他にも、瞳の色が、アリーは母親譲りの青で、私が父親譲りの茶という違いもある。髪の色は両方とも母親譲りの銀髪であるが……


で、先程の両親に対する返答だが……


「大丈夫ですわ。お父様。お母様。私に気にしておりませんもの。むしろ、妹は強大な魔力を持ったが故に、色々狙われやすいので、もっと妹の周りの従者や警護を増やすべきかと思いますわ」


私は精一杯の淑女スマイルで本音を述べた。実際問題、妹の敵は沢山いそうだ。先程の打算的に近づこうとするメイドもだが、他の貴族からも妹を狙いで、自分の息子と婚姻を結ぼうとする者が後を絶たないという……

それだけ敵が多いと私1人でも対処しきれない部分があるかもしれない。ヒエンとレイカという協力者がいてもだ。ここは一つ、私がステインローズ家お抱えの騎士を鍛え直してやるべきか……


「ッ!?私達の娘はなんて謙虚で優しいんだッ!!!」


「あなたはやっぱり私達の自慢の娘よッ!!!」


「お姉様!!大好き!!愛してる!!」


私の言葉を聞いた両親と超絶プリチー美少女な妹が私に抱きついてきた。ちょっ!?両親はいいけど!こんな超絶プリチー美少女な妹に抱きつかれてきたら!私!私!?溶けちゃう〜!!?


それにしても、アンナ・ステインローズの独白のシーンで、両親は妹ばかりを可愛いがったと言っていたけれど、実際は全然違うなぁ〜……むしろ私も妹も可愛がる完全なる親バカさんだ……あれかな?やっぱりゲームと現実は違うって事かな?それとも……


「あらあら?ステインローズ家の劣等生が、アルフ様達に抱きつかれた程度で嬉しそうにしてるわ」


「所詮は同情でそうしてるだけなのにねぇ〜……」


「それに付き合わされるアルフ様達が可哀想だわ……」


あぁ言う周りの言葉を鵜呑みにしてしまい、素直に両親の愛情を信じられなくなったのか……まぁ、ゲームでは独白だけで両親とのやりとりのシーンは描かれてない為真相は分からない。


「ちっ、あの女達……始末する必要があるわね……」


ん?今、私の超絶プリチー美少女の妹が舌打ちして、とんでもない言葉を口にしたような……


「アリー……?」


「ん?なぁに?お姉様?」


私が恐る恐るアリーの名前を呼ぶと、アリーはいつものスーパー天使スマイルで私を見た。

うん。どうやらさっきのは私の聞き間違いね。とにかく、私は明日から早速この笑顔を守る為にお抱えの騎士達を鍛えなきゃね!と、決意を新たにしたのだった。





ちなみに、余談ではあるが私に散々陰口を叩いていたメイドは翌日には解雇され、風の噂によると娼館に売り飛ばされたというが、真相は私にも分からない。

が、これが私の仕業と勘違いされ、私の目の前で私の陰口や嘲笑をする者はいなくなったが、私に積極的に関わろうとする者もいなくなった。

まぁ、基本自分の事は自分で出来るし、魔法を使えば割となんだって出来るから問題ないのだけど、貴族令嬢でありながら専属のメイドが1人もいないのに少しの寂しさを感じる私であった……

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