98.色んな人達の様子がおかしい

冷ややかな視線を私に向けてくる攻略対象者4人。前々から、アリーが私にばっかり構うから歓迎されてない感はあったけど、少し様子がおかしいわね……


「何故妹に触れてはいけないのですか?」


私がそう尋ねると、カイン王子は冷ややかな視線を向けたまま


「分かりませんか?アリー嬢の机を傷つけた最も疑わしい人物が貴方だからですよ」


淡々とそう告げるカイン王子。他の3人も同意なのは、私に向ける冷ややかな視線が物語っていた。

これは……アリーの敵を探る為に用意した噂が仇になったわね……どうしたもんか……


ん?でもカイン王子のこの問い詰めるシーンって、ゲームにもあったわね?誰を攻略したかによって、さっきのセリフを言う人が違うのだけれど……カイン王子が言ったからカイン王子ルート?いや、それにしては攻略対象者が他にもいて、私を問い詰めるシーンではなかったはず……それに、ここにもう1人の攻略対象者がいないのも不自然だし……と、私がそんな事を考えていたら


「待て!兄上!他の皆も!落ち着いてくれ!」


ヴァン王子が私を庇うかのように現れ、カイン王子達と対峙し始めた。


「兄上!いくらなんでも噂や疑わしいと言うだけで決めつけるのは間違ってる!確たる証拠はないのだろう!?」


ヴァン王子は更に私を庇うセリフまで言ってくれた。あれ?何コレ?どうなってるの?コレは一体何ルート?逆ハールートは私はクリアした記憶がないから分からないけど、逆ハールートにしても、ヴァン王子が私を庇うなんておかしいよね?一体何がどうなってるの?


「……まぁ、いいでしょう。ヴァンの言う通り確かな証拠はありませんし、ここは一旦引きましょう。すぐに真実は明らかになると思いますがね……」


そう言ってカイン王子達は去って行った。私はしばらくそれを呆然と眺めていたが、すぐにヴァン王子に頭を下げた。


「ヴァン王子。庇ってくださってありがとうございます。まさか、ヴァン王子が私の事を信じてくださるとは正直思いませんでした……」


私がそう言うと、ヴァン王子は苦笑を浮かべ


「まぁ、俺はお前が妹をどれだけ愛してるか知ってるからな……だから、こんな事をする奴じゃないとは思ってるさ」


と言った後、すぐに真剣な表情になり、カイン王子達が去って行った方を見た。


「しかし……問題は兄上達だ……兄上は聡明な人だ。何の証拠もなく、お前を糾弾するのは不自然だ。相手の真意を探る為にあぁいう言い方はするかもしれないが、だとしても、確定してないのにこんな大勢の前でやらないはずだ。王族の言葉の重みを1番理解してる人だからな……」


ヴァン王子は本当に不思議そうにそう言った。確かに、カイン王子達の対応は私も不審に感じていた。彼らともなんだかんだで長い付き合いだから、彼らが証拠もなしの糾弾劇をするとは思えない。


けれど、今は分からない攻略対象者達よりも、分かってる被害の対策だ。もしも、このアリーの机がアンナ・ステインローズの嫌がらせを再現しているのなら、その対策をすればいい。


「ヒエン!レイカ!キョウカ!3人にお願いがあるんだけど……」


私は3人に教室・更衣室・下駄箱を重点的に監視するように指示した。これで、嫌がらせを防ぎ、嫌がらせをした犯人も捕らえられるはずだ。



しかし、私は状況のおかしさの混乱と、次への対策で頭がいっぱいになりすぎて、本来なら1番先に庇ってくれるはずの娘が、庇いにこなかった事実に目を向けてなかった……









「どうして……!?何で……!?コレをやったのがお姉様のはずかないって思ってるのに、何でお姉様がやったかもしれないって気持ちが湧いてくるの……!?」

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