14.ゴロツキ程度でも妹を愛しすぎてる姉の相手にならず

複数の男達が城内に侵入した。が、その侵入に対して不思議と誰も気づく事はなかった。それを感じて男達は本当にあのメイドの言葉通りだと思い、ニヤニヤといやらしい笑いを浮かべた。


事の始まりは数時間前、男達が根城にしてる酒場に一人のメイドがやって来た。そのメイドは、男達が目にした事のないような金貨が入った袋を放り投げてこう言った。


「あなた達に依頼があります。これは、その依頼の前報酬になります。依頼が成功したあかつきには、これの倍の金額をお渡しします」


男達はその話に驚愕し、すぐに頷きたかったが、これだけの大金を渡してくる依頼だ。何かあると思い、まずは仕事の内容を確認した。


「仕事の内容は簡単です。城内にいるとある伯爵令嬢に、あなた達のやり方で痛めつけてください」


そう言って、メイドは今流行ってる魔法映写機で写したと思われる物を男達に見せた。それは、昨今話題の魔力持ちの伯爵令嬢だった。やはり、ただの仕事ではなかった。自分達のような者が城内に入る事がまず不可能なのに、城内に侵入し、広い城内から伯爵令嬢のいる場所まで行くなんて絶対不可能だ。ところが……


「城への侵入と伯爵令嬢への部屋まで行くまでは私がなんとかしますから大丈夫です。あなた達はただ、堂々と城へと入り、ここに城内の地図があるので、この赤印のある部屋へ行けばいいだけです」


メイドはそう言って城内の詳しい見取り図を男達に手渡した。正直怪しさ満載の仕事で、普通なら断る話だが、金欲しさもあるが、10歳の美しい令嬢を襲いたいという男達の獣欲もプラスせれ、男達はメイドの依頼を引き受けた。


で、メイドに言われたように堂々と正門から入って行ったのに、門番が自分達に気づいてる様子がない事に驚いた。しかも、城に入ってからも誰も男達など目に入ってないようなこの状況に、男達は本当にメイドの言う通りなんだと確信し、見取り図の印がうたれた部屋へと向かった。


「しかし……大丈夫ですかね〜……?この伯爵令嬢って言ったら双子の姉がいるって話ですよね?間違えてそっちを襲ったりしたら……」


「問題ないだろ。メイドにその辺も聞いたら、あの姉妹は部屋が別々なんだそうだ」


「マジっすか……姉妹仲悪いんすかね〜……」


「一方は将来を有望視され、一方はない者扱いされてるらしいからな。まぁ、お貴族様の世界だと俺らの兄弟喧嘩なんかよりドロドロだろ」


と、男達はステインローズ伯爵令嬢姉妹について語っていた。

確かに、2人は屋敷では別々の部屋で寝ているが、それは姉妹揃って「一緒に寝たら理性がどうなるか分からない!!?」という意思のもとである。更に、妹に至っては、部屋にある姉コレクションを見られてはマズイのもあるが、男達がそれを知る事はない。


「着いた。本当に呆気ないぐらいに簡単に侵入出来たな」


男達は部屋に入り、ベッドを見ると、人がいるであろう膨らみが見える。男達はこれから自分達がする事に期待とソレを膨らませ、ベッドに突撃を仕掛けた。


が……


「きゃあぁぁ〜!!?助け……ていッ!!!と!!!」


突撃した男の1人が、突然ベッドから起き上がってきた伯爵令嬢の強烈なアッパーをくらい、軽く吹っ飛びそのまま気絶した。


「なっ!?ななな!!?」


「今のは!?魔法か!!?」


男達は仲間の1人がアッサリとやられたのを見て、相手が魔法を使ったのだと思い驚愕と困惑の表情になる。


が、男達は気づいていない。その伯爵令嬢が魔法も使わずに、純粋に腕力だけで自分の仲間を倒してしまったのを。今、仲間を倒した伯爵令嬢が、自分達が襲えと言われた伯爵令嬢の特徴とは少し違い、つり目で茶色の瞳をしているのを……


「さぁ〜て!雇われただけのゴロツキとはいえ、うちの可愛くて美しくて天使と女神が融合したような妹に手を出そうとした罪!万死に値するわ!!」


その伯爵令嬢、アンナ=ステインローズはニッと笑ってそう宣言した。


その直後、男達は悲鳴をあげる暇もなく全員ボコボコにされたのだった……

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