122.近状説明報告1

完全に目が覚め、体調も万全な私だったが……未だにベッドの上にいたりする。完全に傷口は私が残した魔法で完全に塞がってるのだが、まだ安静にすべきと最愛の妹にキツく言われてしまい、私は未だにベッドから抜け出せないままだったりする。


そして、目覚めて翌日にはお父様とお母様がやって来てお小言を沢山いただきました。なんというか……心配をかけて本当に申し訳ありません……。


「まぁ、まだ言いたい事は沢山あるが……ひとまずはアンナが元気そうで良かったよ」


「本当よ。今後はこんな無茶したらダメよ」


「はい。ごめんなさい。お父様。お母様」


私は素直に2人に頭を下げた。そうしたら、お父様とお母様は朗らかな笑顔を浮かべたが、すぐにお父様が何かを思い出した顔をして


「そうそう……アンナがやったという嫌がらせの件だが、冤罪が証明されたよ。証言をした令嬢を拷……問い詰めたらアッサリと自白したよ」


そうか……まぁ、分かっていた事だったけど、アレは偽証だったのね……って言うかお父様……今、拷問って言いかけませんでしたか?


「その証言をした令嬢達はその後どうなるのでしょうか?」


「令嬢達の家は当然取り潰しだな。まぁ、元々借金まみれでいつ潰れてもおかしくはなかったが……令嬢達は偽証罪で投獄だな」


まさか、自分が起こる運命を偽証した令嬢達が負う事になるなんて……ん?あれ?そう言えば……


「あの……アリーの傍にヒエンとレイカがいませんが……まさか!王子に手を出した罪で2人も!?」


私は頭の中で嫌な想像が駆け巡ったが、お父様は溜息一つ吐いてそれを否定した。


「そんな訳ないだろう。無実で不当な罰を受けてる主人の為に戦ったんだ。勲章を与えてもいいぐらいだ」


いや、メイドに勲章って……流石にそれはちょっと……2人も遠慮しそうね……


「まぁ、ただ2人が王子達と戦ってる姿は何人にも目撃されているからな。批難の声がくる可能性があるから、数日間は療養も兼ねて我が屋敷にいるようにと命じた」


流石はお父様。対応がピカイチだわ。けど、そうなるととアリーの専属がいなくなってしまうわね……

しかし、私の考えをすでに察したのか、お父様はニヤリと笑った。


「心配するな。数日の間、アリーの専属を代わりにするメイドならもう用意している」


おぉ!流石はお父様!伊達に伯爵家の当主はやってないわね!

お父様に入るように言われ、入ってきたメイドは……


「失礼します。数日の間、アリー様の専属につかせていただきます。サクラです。よろしくお願いいたします」


「って!?あんたは!!?」


エリザベス公爵令嬢の専属メイドじゃない!?何でそれがここにいるのよ!!?


「うむ。キョウカのおかげで、彼女は改心してこちらに雇われたいと自ら申し出たのだ」


「はい♡それはもう♡キョウカお姉様のおかげで私♡目が覚めましたの♡だから♡キョウカお姉様♡目が覚めるような一発を私にくださいませぇ〜♡」


さっきまでキリッとした表情が一変してトロンとした表情でキョウカに擦り寄っていくサクラ。えっ?何?この状況は!?


「嫌です。私は本来叩くより叩かれたい派なんですから」


「あぁん♡お姉様のいけずぅ〜♡だったら……お姉様を目覚めさせたご主人様♡私にキツい一発を♡」


サクラはそう言って私にお尻を向けてくる。いや、勘弁してよ。何でまたドMなメイドが1人増えてるのよ!!?


「ダメです。それは私だけの特権です」


いや!?別にあんたの特権でもないから!!?


「お父様……代わりのメイドを変えた方がよろしいのでは……?」


「ふむ。お前達を傷つけたエリザベス公爵令嬢の元専属メイドを信用出来ない気持ちはよく分かる」


いや!?そっちじゃないです!?お父様!?こんなのアリーの傍につけたら!アリーの教育に悪いですから!?


「故に、監視役も兼ねてもう1人メイドを用意したよ」


監視役?一体誰かしら……?何故だか嫌な予感しかしないのだけど……


「失礼いたしま……うわひゃあぁ!!?」


入室して、いきなり何もないところで派手にすっ転ぶメルル。まさか……もう1人のメイドって……


「監視役のメイドって……メルルですか……?」


「まぁ、メルルにも専属メイドの経験は必要だしな」


超絶ドMメイドに、ドジっ子メイドが監視役って……不安しかないのだけれど……


「まぁ、数日の間だけならこの2人でも何とかなるだろう」


かなり楽観的な意見のお父様。まぁ、数日の間なら……私とキョウカで何とかフォローするしかないか……主にメルル関係で……


「それに、その数日間が終わったら、2人をアンナの専属メイドにするつもりだからな」


そうそう……数日後には私の専属に……って!?はい!!?


「ちょっ!?お父様!?何で!!?」


「今回の一件で痛感した。お前は無茶し過ぎる。故に、お前の専属を増やす事にした。幸い2人共アンナの専属になると言ってくれた。だから、異論は認めん」


お父様はキッパリとそう言い放った。いや……高い身分の貴族だと、専属メイドを2、3人連れてる人がいるのは分かってはいるけれど……


「数日後には私もキョウカお姉様とご主人様からお尻叩かれるんですね♡楽しみですわ♡」


「私はもう叩きませんし、お嬢様から叩いてもらうのは私の特権なんで、自分のお尻は自分で叩いてくださいね〜」


「これからよろしくお願いします!アンナ様……ひゃわぁん!!?あぅ〜……!?挨拶だけでまた転んでしまいましたぁ〜!?」


ドMメイド×2に、ドジっ子メイド……お父様……この3人を私にどうしろというんですか……

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