119.これからの事について

「さて、昔話も終わった事だし、お前さんの今後について話さなきゃいかんな」


先程まで会話に加わってなかったマクバーン師匠がおもむろにそう切り出してきた。私の今後ってそんなの決まってるじゃないですか


「これからも妹の成長を見守る。それ以外に私の今後なんてありませんよ」


私がアッサリとそう言い放つと、マクバーン師匠は困ったような笑みを浮かべ


「いや、そうじゃなくてだな……」


「貴方に宿った妹さんの力についてです」


私に宿ったアリーの力?あぁ!あのアリーの力の一部が私に入ったアレの事か!


「今の貴方は私が託したかつての私の力の無属性魔法の他に、妹さんがソレの力によって生み出された時属性の力もある状態です」


時属性!?なんだかとっても凄そうな力なんだけど……


「一応、アリーの力の一部なんで、アリーに返そうかと思ってたんですが……」


「それはあまりオススメ出来ませんね」


アイリーン様はキッパリとそう言い放った。


アイリーン様曰く、時を操る力は世界を歪めやすい。故に、力を誤って使えば、今回のような悲劇がまた起こるとの事。だから、まだまだアイリーン様から見て、未熟な所が多いアリーに返すのは若干問題があるとの事だ……


「えっと……だったら私が持ってるのもマズイのでは……?」


「そこは問題ありません。貴方の中にいる状態だと、時属性の力は凄く安定して使用出来るようです。まぁ、だからと言って多用は避けてもらいたいですが……」


マジか……そんなに私の中が居心地がいいのかしら?それとも、私の中に「私」がいるから?まぁ、間違いなく後者でしょうね。しかし……妙な力を託されたんだけど、どう使うべきかしらね〜……使い所が難しいわ……まぁ、多用するなって言われたし、使わない方向でいきましょうか……なんだかもったいない気もするけれど……


「私のかつての力も貴方にお譲りします。というより、もう完全に貴方の力となってますが……」


アイリーン様は微笑を浮かべてそう言った。それは助かる。だって、この力がないと妹を守り抜けないからね〜。


すると、アイリーン様とマクバーン師匠が光に包まれ、その姿がどんどん薄くなっていった。


「どうやら、そろそろお別れのようですね。災厄を消滅していただき感謝します。どうか、これからも妹を大切に」


「鍛錬も忘れずにするのだぞ!日々の鍛錬がお前さんが妹を守る力となるんだからな!」


そう言って、2人は笑って私の目の前から消えていった。思えば、この2人に私は妹を守る力を授けてもらったのよね……


「ありがとうございます!!マクバーン師匠!アイリーン様!これからもこの力で!妹を守ります!!」


私は聞こえてるかは分からないが2人にお礼を言った。



そして、私は……最愛の妹が待ってる世界に向けて歩き出した……

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