120.自覚

私は眠り続けているお姉様をただじっと見つめていた。



エリザベス様が私を襲い、その刃が私ではなくお姉様に突き刺さったあの日、お姉様をすぐに助けなきゃいけないのに、何故かあの日あの瞬間助け方が分からずに、私が呆然としていたら……


「アリーちゃん!アンナちゃん!」


ヴィオル様とヴァン王子とヒエンとレイカの4人がすぐに駆けつけ、4人がすぐさま対処を行なった。

まずは、ヴィオル様がお姉様に刺さったナイフをなるべくお姉様に負担をかけないように魔法で抜き、ヴァン王子がすぐさまお姉様に回復魔法を。そして、ヒエンとレイカは私の無事を確認した後、私を守るように側に控えてくれた。

その後、エリザベス様はヴィオル様が呼んだと思われる魔法省の職員に連れて行かれた。あれだけ荒れていたのが嘘のように、エリザベス様はまるで糸が切れた人形のように大人しく連行されていった。そして、お姉様はヴァン王子の手で、お姉様の寮の部屋まで運ばれて行った。それを、ただ私は呆然と見つめていた……


翌日になって、私がお姉様の部屋を訪れたが、お姉様は眠ったまま起きる気配がなかった。


「傷口も何故か完全に塞がってるし、血の流出もあまりないはずなのだけど、何故か未だに目を覚まさないのよ……」


お姉様の様子に驚愕している私に、ヴィオル様がそう説明してくださいました。


そして、あの日から2日が経った……お姉様は一向に目を覚ます気配がなく、寝息はたてているから死んでないはすだけれど……


「お姉様……」


お姉様……あの時私がレイカをちゃんと連れて行けば……


ちゃんとエリザベス様とお話が出来ていたら……


お姉様に庇われる前にナイフを奪っていたら……


今更そんな後悔が私の頭をぐるぐると駆け巡る。


「お姉様……!ごめんなさい……!お姉様……!こんな弱い私でも!私は……お姉様が……!」



好き


愛してる。お姉様を愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる……


あぁ……そうか……私のこれまでお姉様に抱えていたこの感情の正体は……今更こんな事に気づくなんて……やっぱり、私はダメな妹……それでも……私は……もう、この感情を抑えられない……


「愛しています……お姉様」


私は眠るお姉様の唇に私の唇を重ねた。


こんな私は王子様にはなれないけれど、眠れるお姫様が起きるのを祈って……

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