68.夏なんて滅べばいい

なんだかんだとあった春の最初の試験も終わり


アリーファンクラブという名の攻略対象者に、リンクスという青年も1人加わり


なんだかんだで春という季節が終わり、梅雨が明けて……あの季節がやってくる……私の最も嫌いな季節が……




「夏なんて滅べばいいのに……」


「本当にお嬢様は夏がお嫌いですね〜」


私が暑い日差しをジト目で睨んでそう呟いた言葉を聞いたキョウカが苦笑してそう応える。


そう。私は夏が嫌いだ。前世の頃からその気持ちは変わらない。

夏なんて、やたら暑いだけだし、日差しが強くて日に焼けると肌が真っ赤になってヒリヒリするし、おまけに、その異常な暑さのせいでゲーム機がオーバーヒートしてゲームがやれなくなったって事もあるし……夏にいい事なんて一つもありゃしないわ。

それと、なんか夏の定番の怪談も。暑いから肝を冷やせば涼しくなる?涼しくなりたきゃクーラーか扇風機で十分でしょ。えっ?でも、この世界にはそんなのないんじゃないかって?そもそもこの世界には魔法に魔法具って言う便利な物があるのよ。それでなんとか出来る訳よ。つまり、夏に怪談なんてする必要がないのよ。決してお化けが嫌いだとかそういう理由じゃないわよ。決してね!


まぁ、長くなったけど結論から言うなら、夏なんてなくても良くないという事だ。それに……夏と言ったらアレがあるし……


「お姉様〜!お待たせしましたぁ〜!」


そう言って私の元に駆け寄ってくる私の可愛い可愛い天使な妹は、なんと、今日は「リリカルスクール」は水泳の授業という事でワンピースタイプの水着姿だった。


「夏……最高ね……」


「お嬢様。さっきと言ってる事が全然違いますよ〜」


私がフラリと倒れそうになったのを、素早く支えたキョウカが、私の呟きにジト目で返した。

そして、数分後には続々と生徒達がプールに入って来た。その中でやっぱり特に目立つのが攻略対象者達。まぁ、多種多様なイケメンが揃ってるし無理もない。さっきから黄色い声が上がりまくってる。


「アリー嬢。やはりここにいたんですね」


「探しましたよ」


「アリーお姉様。その格好で1人で行っては危険です」


「護衛ならいつでも言って欲しい」


カイン王子にグラン様にケインにリンクスが、アリーに近寄って話しかけ始める。イケメン4人に、超絶激可愛妹が揃えばそこは凄い眩いオーラが出来て、夏の日差しも真っ青だ。


「お前は……見学か……?」


何故がヴァン王子だけが私に近寄って話しかけてくる。本当ならアリーに話しかけたいはずなのに、周りの目を気にしてる?それとも、みんな水着なのに私だけ制服姿なのが気になってる?


「えぇ……まぁ……ちょっと風邪をひいてしまって……」


私は若干目を逸らしそう答える。


「きっとアレは言い訳よ」


「あの双子の妹と比べられたくないぐらい可哀想な身体をしてるのね」


「なんせ、実技の試験であんな逃げ方をした人ですものね〜」


何やら何人かの令嬢が私を見てニヤニヤと笑いながらヒソヒソ話をしているけど、すっごい丸聞こえなんだけど……

ちなみに、あの実技試験は私が妹と戦って無様に負けるのが嫌であんな負け方をしたと思われたらしい。というか、あの負け方の方がよっぽど無様だと思うのは私だけなんだろうか?まぁ、別に噂なんて気にしないからいいんだけど……

それに……妹の身体と比べられるのが嫌?そもそも!比べるのがおこがましいっての!?こんなに超絶プリチービュティーホーな妹と!ちょっと胸がそれなりにあるだけの私なんて!本当におこがましいにも程があるっての!?分かってないわね!本当に!


まぁ、それを主張したところで体力を無駄に消耗するだけなので、無視一択を決め込む私。しかし、その令嬢達に黙ってられない娘がいた。


「お姉様。ちょっと来てください」


「へっ?ちょっ!?アリー!?どこに連れてくの!!?」


いつも可愛い天使な妹アリーが何故か黒いオーラに黒い笑顔で、問答無用で私の腕を掴んで更衣室まで引っ張られて行く。そして……




「お姉様。脱いでください」


「はい!?ちょっ!?アリー!?まっ……!!?」


私は問答無用でアリーに制服を脱がされ、そして……

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