67.アリーの大好きな人

リンクスの決闘を申し込んだ理由。それは、ゲームのシナリオと同じだった。


ヴァルター家は元々はウィンドガル王国の騎士家系だった。しかし、数十年前にヴァルター家の嫡男が王家の1人を殺害。それにより、その嫡男はもちろん死罪に。ヴァルター家は取り潰しになった。

けれど、ヴァルター家は失ったも同然だが、ヴァルター家の騎士の誇りは無くした訳ではない。リンクスはヴァルター家を再び騎士家系として再び立ち上がらせる為に、誰よりも強くなる決心をした。幸いにも、取り潰しにあってもウィンドガル王国は実力で再び上へと上がれる国である。


「だから……!俺は……!誰よりも強くなくてはいけないんだ……!そうでなくては……俺は……ヴァルター家は……」


だから、リンクスはアリーに決闘を申し込んだ。この学年で1位の成績を取ったアリーに勝てば、自分が1番強い事が証明出来るからと……


「私の大好きな人は凄い頑張り屋さんなんです」


リンクスにアリーはそう言葉をかけた。こ!?これは!?ゲームのシナリオと同じセリフだ!!?


「私の大好きな人はとにかく一生懸命頑張る人なんです。時々、頑張りすぎて心配になる事もありますけど……だからこそ、私は……」


おぉ!?本当にゲームのシナリオそのままのセリフだ!?超感動!!えっ?何でそんな感動してるのかって?だって、このセリフにある大好きな人って実は私の事なのよ!ゲームの「私」がアリーを超えようと必死になってる姿とリンクスが重なってそう言ってるのよ!全く!本当にお姉ちゃん想いの健気な妹ねぇ〜♡

ん?でも、ちょっと待って……私は別にアリーを越えたくて頑張ってないよね?えっ?じゃあ……今言ってるアリーの大好きな人って……誰?


「だから、あなたも頑張ってください。挫折する事、苦しい事、たくさんあると思います。だけど、私は……必死で頑張ってる人はいつか報われると思いますから」


アリーはゲームのシナリオ通りにそう言って立ち去った。そんなアリーの姿を呆然と見つめるリンクスは完全に堕ちたけど、正直今はそんなことはどうでもいい。


「ねぇ……アリー。あなたの大好きな人って……誰なのかしら?」


私はアリーに近づいてとっても疑問に思ってる事を聞いた。すると、アリーは人差し指を自分の唇に近づけて……


「それは…………内緒です♡」


と、可愛いウィンク付きでそう言った。いや!?可愛いけど!?超絶に可愛いけどぉ!!?そうじゃなくて!?それは私にとっては死活問題なのよ!?ちゃんとお姉ちゃんに紹介して!?そいつがアリーに相応しいかきちんと見極めてあげるから!!?ねぇ!?


そんな私を「何で分からないんだろう……」と言いたげな目で、ヒエン・レイカ・キョウカが見つめていた。

ちょっ!?あなた達!知ってるなら私に教えなさぁ〜ーーーーーーーーーーい!!!

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