69.お姉様の更なる疑惑

「ちょっ!?流石にこの水着は恥ずかしいんだけど!!?」


私が無理矢理着せ替えて、今、お姉様は水着姿になっています。しかも、大胆なビキニタイプの水着を。やはり、お姉様のように理想的なスタイルの持ち主には、ビキニタイプの水着がよく似合いますね!お姉様は似合わないと言ってますが……本当にお姉様は自分の魅力を分かってらっしゃらないから、本当に色々不安です。


さて、お姉様のスタイルについて散々陰口を叩いていたご令嬢達はというと……呆然とした表情でお姉様を見ていました。

それもそのはずでしょう。お姉様の胸は私より大きく、腰は太くもなく、かと言って痩せ過ぎでもなくて、お尻の形もキュッと引き締まっていて、まさに全ての女性が理想とする体型をお持ちなのがお姉様なのです!


「くぅ〜!アンナ様でもいいから!俺といっぱ……グベハァ!!?」


とりあえず、バカな男性は私の魔力弾でプールに沈めました。

ご令嬢ばかりでなく、男性方もお姉様の姿に見惚れています。正直、お姉様の事を他の方々に見せるのは嫌ですが、お姉様がバカにされるのも我慢なりませんから、致し方ありません。


「満足したか?だったら早くアンナを着替えさせてやってくれ。彼女は今風邪をひいてるらしい」


「えっ!?そうなんですか!?お姉様!!?」


ヴァン王子に指摘され、私はお姉様にそう聞くと、お姉様が「まぁ……ね……」と、何故か目を逸らしながら返事をしました。

ん?このお姉様の対応……もしかして……


「お姉様…………本当に風邪をひいてらっしゃるのですか?」


「ギクッ!!?」


私がお姉様をそう問い詰めると、お姉様は肩をビクッと震わせ、目線を更に逸らしていく。

これは……間違いないですね。お姉様には言った事ないですが、お姉様は私に嘘をついてる時は、必ず私の目を逸らす癖がありますし。

しかし、嘘までついて水泳の授業を受けようとしないお姉様。それに、お姉様のやたらと夏を嫌う姿勢……もしや、お姉様は……


「とにかく!?私は風邪をひいてるから!今日は授業は見学してくるから着替えてくるわね!!?」


お姉様は下手な誤魔化し方をして、この場を立ち去り更衣室へと向かおうとしましたが、何故か落ちていたバナナの皮をお姉様は踏みつけ、そして……


ツルッ!!ザバンッ!!


バナナ皮で滑ったお姉様は運がいいのか悪いのか、プールの方へと落ちていきました。

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