46.従者達は本当にいい仕事をしたと思っています

私は王都の人気のない路地裏に来ました。皆さんは私がここでサンドウィッチをダメにされたのを泣いていると思ってるかもしれませんが、私の今の気持ちは……


「あ……危なかった〜!?従者達にはマジ感謝だわ〜!セーフセーフ……」


だった。別に強がりでもなんでもなく本心でそう思ってますよ。


「何が危なかったんだ?」


突然声をかけられ、振り向くと、そこにはヴァン王子がいらっしゃいました。


「ヴァン王子。わざわざついてきたんですか?」


「契約期間中までとは言え、俺が貴女の婚約者であるからな。貴女を屋敷まで送るのは俺の務めだ」


アンナはその言葉は受けて軽く溜息をついた。本当にクソ生真面目な人だなと……


「それで……何が危なかったんだ?」


ヴァン王子は再び同じ質問をしてきた。正直、自分の失敗を告白するのは気が引けるが、まぁ、それも今更かと思い、私は何も言わずサンドウィッチをヴァン王子に手渡した。


「ん?これは……さっきダメにされたサンドウィッチか?ん?これは……」


私が手渡したサンドウィッチをしげしげと眺めていたヴァン王子が気づいたようだ。そのサンドウィッチが一部焦げてしまっているのに……




あの時、アリーにサンドウィッチを食べさせようと瞬間、私が持っていたサンドウィッチのパンが一部焦げていたのに気がついて固まった。


(マズイ!?これはマズイ!?こんなのアリーに食べさせる訳には!!?どうしたら!!?)


と、頭の中で対処方法を考えてるうちに、従者達によって、サンドウィッチがダメになったのである。従者には本当に感謝である。



「お前がさっき危なかったと言ったのは、自分の手料理が妹にバレる事を恐れての発言だったか……」


「まぁ、それも無きにしもあらずですが……」


もう一つは、私が前世の記憶がある為、黒焦げの物を摂取すると、癌になりやすいのを知ってるからである。ここは、治療魔法などが充実してるとは言え、実際にそんな重い病気にかかったら治す術はないだろう。危うく、従者達の思ってる通りに、私が妹を殺す原因わ作るところだった。


「しかし……何故パンを焼いたんだ?あまり詳しくはないが、サンドウィッチはパンを焼くものでないと聞いたんだが……」


「このサンドウィッチはチーズも挟んでるんです。チーズを挟む場合、焼いてるパンの方が美味しいんです」


これも、私の前世の知識で、私はよく乙女ゲームの完徹プレイの為に、栄養補給にサンドウィッチをよく作っていた。その際、チーズを挟んだサンドイッチには必ずパンを焼いて挟んで食べていた。その方が美味しいと感じたから。が、まさかそれがこんな失敗を引き起こしてしまうとは……チーズ入りサンドウィッチを作るべきではなかったわね……いや、むしろ、最初から手作りなんてすべきではなかったかもね……


私は軽く溜息をつくと、バスケットを近くにあったゴミ箱に捨てようとした瞬間、ヴァン王子に慌てて声をかけられた。


「おい!?何も捨てる事はないだろう!!?」


「捨てるしかありませんよ。こんな焦げた物を誰かに食べさせる訳にはいきませんし、アリーが食べると思って多めに作ったので、私1人では処理できませんので」


私はそう言って再びバスケットを捨てようとしたが、その腕を誰かに止められた。またヴァン王子かなと思って振り向くと……


「そんなもったいない事をやめてください!!お姉様!!」


私の腕を掴んで止めたのは、私の最愛の妹のアリーだった。

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