17.妹の為を想い行動していた姉は「魔法闘技」の使い手になってました

私に投げ飛ばされたキョウカはすぐに受け身を取り、うまいことダメージにならないよう着地した。うん。やっぱりこのメイドはただ者じゃないわ。さっさと色々潰しておかないとマズイわね……


私はそう判断し、小石ぐらいの大きさの魔力弾を複数作って、それらを指弾の要領で彼女に全てをぶつけた。


「ッ!?…………?」


キョウカはそれを避けられないと判断し防御の構えをとったが、まるでダメージがないのを不審に思ったのか首を傾げた。が、すぐに攻勢に出ようと、メイド服に忍ばせているのであろ武器を取り出そうとした瞬間に驚愕の表情に変わる。


「そんな……!?私の武器が……!!?」


恐らく、自分のメイド服に忍ばせていた武器が全部粉々になっていて驚いているのであろう。キョウカはキッと私を睨んできた。


「今の魔力弾はそういう事ですか……!?」


「あなたみたいなタイプは服に大量の武器を仕込んでそうだものね。だから、全部破壊させてもらったわ」


そう。私が放った魔力弾は全て彼女がメイド服に仕込んでいた武器めがけて放ったのである。これで、彼女は武器を使用できなくなった。まぁ、元々武器を使って私を仕留めようという考えはなさそうだけど念のためだ。


「あなたは……!?本当に一体何者なんですか……!?」


「さっき言った通りなのだけど、それじゃあ納得出来ないでしょうから、一つ教えてあげるわ。私、魔法闘技マジックアーツの使い手なのよ」


魔法闘技マジックアーツの使い手と聞いて驚き固まるキョウカ。まぁ、それも無理からぬ事だろう。何故なら……


「そんなバカな……あり得ない……魔法闘技マジックアーツはウィンドガル王国初代女王アイリーンが作り上げた、魔力と格闘術を融合させた、この世で最強の武術……けれど、その使い手はアイリーンと、そのアイリーンの右腕として活躍したと言われるマクバーンしかいないはず……」


そう。魔法闘技マジックアーツはこの世で最強の武術だが、会得してるの初代女王のアイリーン様と、数年前についに亡くなった、王国最強の武人とまで言われたマクバーンしかいない。


「いや……待って……確か……マクバーンは亡くなる数年前に……幼い少女に自分の技術を託したって噂が……まさか……!?あなたが……!!?」


私はキョウカのたどり着いた答えにニヤリと笑って肯定の意を示した。


そう。そのマクバーンこそ、私に魔法闘技マジックアーツを教えてくれた師匠なのである。



あれは5歳の頃、自分が無属性魔法の使い手だと知ったが、それだけはまだダメだと思い、ある時、魔法闘技マジックアーツの存在を知り、更にはまだその魔法闘技マジックアーツの会得者であるマクバーンが未だに生きている事を知り、あらゆる情報網を駆使し、彼に会いに行き弟子入りを志願した。

最初はもちろん断られたが、私が何回も何回もそれはもうしつこいぐらいに頭を下げてお願いするので、根負けしたのか、ある日マクバーンはこう言ってきた。


「娘よ。何故そんなに魔法闘技マジックアーツを会得したいのだ?」


と、問うてきた。なので、私はバカ正直に……


「妹を守る為です!!!」


と、堂々と宣言した。私の発言にマクバーンはしばらく口をポカンと開けて固まってしまったが、何故かすぐに大爆笑しはじめた。


「くくくく……!あっはっはははは〜!!?まさか!ワシと師と同じ事を言って力を得たい者が現れるとは!長生きはするものよな!!」


しばらく大爆笑したマクバーンだったが、やがて……


「よかろう。お主に魔法闘技マジックアーツの技術を授けよう」


こうして、私はマクバーンの弟子になった。


が、この魔法闘技マジックアーツが私の身体に異様なまでに馴染み、私は僅か半年足らずで魔法闘技マジックアーツの全てを習得し、師であるマクバーンさえも越してしまった。


「主の強さ……まるでかつての師であり、ワシの主人であるアイリーン様をみているようだ……」


と、マクバーンにそう呟かれた。


こうして、私は魔法闘技マジックアーツの全てを習得。マクバーンはそれを見届けて安心したかのように、その翌年に、亡くなったのだった。

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