107.新たな……の誕生

キョウカとサクラの戦い


それは本当にあっという間に決着がついた。無論、キョウカの完全勝利で


キョウカはサクラが目にも追えない速さでサクラに近づき、隠し持っていた魔法を封じる鎖で彼女を完全に拘束してしまったのである。あまりの出来事にサクラは驚いて目を見開く。


「そんな!?何故!?ここは貴方は魔法が使えない場にしたのに!!?」


「いくつか勘違いを訂正しましょう」


サクラの言葉に、キョウカは指を一本立て


「一つ、そもそも私はこの屋敷に仕掛けられ魔法の罠に引っかかってません。全部しっかり躱してきましたから」


「そんなバカな!?ここに来るまでのルートにいくつもの魔法の罠を仕掛けたのに!!?」


確かに、サクラは地下牢までたどり着く為のルートにそれは念入りに魔法の罠を仕掛けて回った。一つも回避するなど不可能な程に、しかし、キョウカはそれを全て回避したのだ。だが、キョウカから言わせるなら……


「全然ですよ。だって天井には全く仕掛けられてないじゃないじゃないですか〜」


「いや!?天井にも仕掛けたわよ!?魔法では天井に触れないよう……って!?まさか!?あなた!!?」


「はい。そうですよ。私は魔法を一切使用せずに天井を利用して移動しました」


そう。キョウカは特殊な器具を使って天井に若干四つん這いになるような形で張り付き、そのまま四足歩行のような形で移動したのだ。

普通の人は重力に逆らえずにすぐに疲れて落ちてしまうが、こういう訓練を何度も受けているキョウカにとってこれぐらいの事は余裕なのだ。


「それから、2つ……私は別に攻撃手段で魔法なんてそんなに利用してないですよ?」


「なっ!?けど!あなたは……!」


「確かに闇属性の魔法は使用してますよ。けど、だいたいが終わった後の記憶操作だったり、まぁちょっと移動に便利だから影を使って移動してますが、攻撃手段で魔法は使用してないですね〜」


キョウカの言った事は全て事実だ。アンナと対峙した時も、影を移動する魔法だけで、彼女の首元を狙ったのは己の体術だ。そもそも、魔法を使わなくても、それ相応の動きが出来るキョウカがサクラを拘束出来るのは当たり前の事だったのだ。


「そして、最後に……私が主を得て腕が鈍った的な言い方をしましたが、私の主は人使いが荒いですからね〜。おまけに、時々あの化け物みたいな人と戦闘訓練もしますから、むしろそれなりに上がってますよ〜」


特に、夏休みに起きた2つの事件の後、アンナはもっと自分自身を鍛える意味も含め、戦闘訓練をよく行い、それにキョウカだけでなく、ヒエンやレイカも付き合わされ、3人揃ってヘトヘトになったりもした。


「さてと……それじゃあ……貴方にはこの場で色々吐いてもらいましょうかね〜……」


キョウカは冷笑を浮かべサクラを見た。サクラは若干怯えを見せたが、すぐにキッとキョウカを睨みつけた。


キョウカは基本ドMだが、相手から情報を引き出す為ならSにもなる。特に、このメイドは仮にも専属なのだから、色々情報を持ってるはずだから、色々引き出してやるべきだろう。


「ここは……我が主のやり方でいきましょうか♡」


「なっ……!?何を……!?って!?きゃあぁぁぁ!?」


いきなりスカートをめくられて、お尻を突き出すような体勢にさせられて驚くサクラ。


「大丈夫ですよ〜。貴方なかなか素質ありそうですからね〜。すぐに虜になりますよ〜♡」


キョウカはそう言って舌舐めずりをして、思いっきり右手を振り上げ


バシンッ!!!


「ひゃうん……♡」


また、ここに、新たなドMメイドが誕生したのだった……

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