50.王子様方ご来店です!!

私はキョウカを呼んで「パルフェリア」のスタッフルームから、シエルとブドウ子爵の様子を見守っていた。


「本当に!このお店の対応はどうなってるんだ!?もう何分待ったと思ってるんだ!?」


「ですから!列の順番通りに対応してますのでお待ちいただければと……」


「貴族である者を待たせるとは何事だと言ってるんだ!!?」


さっきからこの口論の繰り返しである。シエルの表情からは若干の疲れが見られてきた。やっぱりシエルにはまだまだクレーム対応は難しいわね。リーガルに指導してもらった方が良さそうかも……


すると、店内が騒然となった。まぁ、それもそのはずだ。この国の王子2人と、イケメン2人に囲われるように、超絶最強最可愛な美少女が来店したんだから。


「い……いらっしゃいませ……」


店員の女の子の声が震えていた。まぁ、仕方ないわね。相手は王族の方なんだし。滅多にはお目にかかれないものね。私は家に毎日のように来てるから見慣れてる感あるけど……


「いつも通りにしてください。今日は私の婚約者が自慢するお店のケーキを弟や幼馴染のグランに、義弟になるケインと共に食べに来ただけですので」


代表して爽やかな笑顔でカイン王子が答える。あっ、店員の子が王子のイケメンスマイルにやられて倒れたわ。シエルが呆れた溜息をつき、王子の登場で呆然と立ち尽くしているブドウ子爵を無視して王子様の対応にあたった。


「申し訳ありません。カイン王子。ただいま満席でして、しばらくお待ちいただく形になるのですが……」


「分かりました。では、待たせてもらいますね」


その対応を見たブドウ子爵がギョッとなり、シエルにくってかかった。


「貴様!このお方をどなたと心得ている!?王族の方を待たせるなどと……」


「私は構わないと言いましたよ。それに、王族だから優先されるなどという法はどこにもありませんよ」


ブドウ子爵がシエルに言い募る前に、カイン王子が割って入ってそれを阻止する。カイン王子の言葉にブドウ子爵は言葉に詰まる。


「確かに、王族・貴族・平民という身分差はあります。が、それはあくまで国を動かす重要な役目を持ってるというだけで、ウィンドガルでは皆平等です。ましてや、このお店にはこのお店の法がある。その法を守るのは当然の義務ではないですか?」


カイン王子の言葉にブドウ子爵は反論する事が出来ないでいる。そして、カイン王子はトドメの一言を放つ。


「それに……この列がやたら進みが遅いのは、あなたがそうやって騒いで後ろにいる列の人を止めてるせいでは?」


「ぐぅ……!!?」


カイン王子のトドメの一言に、ブドウ子爵は顔を歪める。しかし、まだまだこれで終わらせるつもりはない。私のモットーは「やられたらやり返す。3倍返しで」である。




「カイン王子様方、本日はこの「パルフェリア」にご来店、誠にありがとうございます。私が、このノイエル町を取り仕切っております。マダム・Aでございますわ」


さぁ!今こそ!マダム・A出撃の時よ!!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます