66.リンクスvsアリー

まさにこれはゲームの強制力というやつなのか……アリーはリンクスの決闘の申し入れを受け入れ、アリーとリンクスの決闘が成立してしまった。

流石に決闘なんてアリーに傷がついたらいけないと反対したが、当のアリーが


「大丈夫ですよ。お姉様。審判はヒエンとレイカがやってもいいという話ですし。それに、何で私に決闘を申し込んだのか、その理由も気になりますし」


と言うので、私は渋々だが了承することにした。まぁ、私はその理由を知ってるのだけど……


「ねぇ、本当にアリーは大丈夫かしら?」


「本当にアリー様の事になると心配性になりますね〜。大丈夫ですよ。何かあっても今のヒエンとレイカの腕前なら何とか出来ます。それに……結果は見えてますから」


私がアリーが心配で心配でたまらなくて漏らした言葉に、キョウカはアッサリとそう返した。

いや、まぁ……私もゲームのシナリオを知ってるから、試合結果は分かってはいるんだけど、ほら……ね……万が一という事があるじゃない?


そんな私の心配を無視するように、ヒエンから試合開始の合図が入り、リンクスが早速風魔法の力を全身にのせて、素早い動きで木剣でアリーに斬りかかってくる。けど、アリーはそれを紙一重で躱す。

ふむ。リンクスは風属性のようね……。これもゲームと同じ設定か……。


「ねぇ、キョウカ。あなたはさっき試合結果は見えてるって言ったけど、誰が勝つと思ってるの?」


「アリー様です。あのリンクス様は確かに強いですし、実戦経験も豊富だと思います。しかし、魔法を使った戦いでは、どうしても抗えない差というのがあります」


私の疑問にキョウカはアッサリとそう答えると同時に、ヒエンから決着がついた声があがる。勝ったのはキョウカが言った通りアリーだった。アリーはその場で普通に立っているのに対して、リンクスはアリーの魔力弾の一撃を受けて仰向けに倒れている。


なるほどね〜……コレがキョウカの言う抗えない差か……リンクスはゲームの「私」と同じくその魔力数値は低い。平民の平均値よりは高いがそれだけである。恐らく、カイン王子を倒せたのは、試合が一撃当てれば勝ちという今の試合と同じだったからだ。その素早い動きに実戦経験が少ないカイン王子では対応出来ずに敗北した。けど、2度目はないだろう。

そして、同じようにすればアリーにも勝てると思ったのだろうけど、残念ながらそれは甘い考えだった。アリーは全属性に加えて、魔力数値も高い。おまけに、何かあった時の為に、回避系の魔法と防御系の魔法は真っ先に教わっている。その魔法で時間の限り粘り続けたら、魔力数値の低いリンクスでは、魔力が底をついて使えなくなり、負けるのは必至だ。


「くそう……!?俺は……!?俺は……!!?負けてはいけないというのに……!!?」


仰向けに倒れこんだまま、リンクスは悔しそうな表情でそう言った。


「……あなたは何で私に決闘を申し込んだのでしょうか?」


アリーは決闘する前から気になっていた疑問をリンクスにぶつけた。しばらくの間、リンクスは無言を貫いていたが、リンクスはやがて決闘を申し込んだ理由を語り始めた……

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