116.姉妹の絆は無限大

「ナッ……!?何故オ前達ガ……!!?」


ソレは自分の両側に存在する2人に驚いている。


「もう!憎しみに囚われたりしない!誰も!傷つけさせたりしない!!」


今までソレの器になっていた「私」はソレと重なり合う事で、概念がないソレを実体化させていた。

実は、ソレは全く気づいていなかったけれど、ずっと姿を変えていたソレは、私に殴られている時、ずっと「私」の姿のままだった事に気づいていなかった。

私としては、自分と同じ姿の人物を殴り続けるのは複雑な気持ちだったけれど……まぁ、アリーの姿だと殴れなかった可能性があるし、良しとしましょう……


「今度こそ!間違えない!正しくお姉様を救ってみせる!」


そして、今までソレに利用された力で「私」を覆っていたアリーが、今度はちゃんと自分の意思の力でソレを捕らえる。


「オノレ……!?コンナモノデ……!?」


ソレは必死で檻から抜け出そうとするが……


「何故ダ……!?何故……!?我ノ力ナラバコンナモノドウニカ出来ルハズナノニ……!?」


アリーの檻から抜け出せない事に驚愕するソレ。すると、「私」はいかにも悪役らしい微笑を浮かべ


「あら?散々私の身体を乗っ取って、私の憎悪の心を増幅させた貴方が分からないなんておかしな話ね!私の魔法の力は、アリーの一部の力よりも弱いのよ!だから、私と同化状態の貴方が、アリーの檻から抜け出せるはずないじゃない!」


「ナッ……!?シマッタ……!?」


「私」に指摘されてようやく気づいたらしいソレが、今度は「私」から抜け出せとうとするが……


「逃がさない……!絶対に……!」


「お姉様……!!」


「私」は必死にソレを捕らえて、必死に自分から抜け出させないようにする。更に、アリーも力を使って、ソレが「私」から抜け出せないように捕らえる。


2人の姉妹による攻防から必死でもがいて抜け出そうとするソレを見て、私も思わず悪役令嬢らしい微笑を浮かべてしまう。


「くっくくくく……!笑える話ね!散々姉妹の絆の弱さを利用して力をつけたあんたが、最終的に姉妹の絆にやられるなんてね!!」


「ヌゥ……!?ヤラレン……!我ハ敗レヌ……!姉妹ノ絆ナドトイウチッポケデ儚ク脆イモノニナド……!」


はぁ〜……全く……最後の最後まで全然理解しないわね……本当に……


「いって!!私!私達の起こした悲劇を!終わりにして!」


「お姉様!やっちゃってください!!」


最高の姉妹のアシストがある。だったら……そろそろ決めてやりますか!!


「姉妹の絆は!!無限大よぉ〜ーーーーーーーーーー!!!!」


私は今ある最大級の魔力を込めた拳をソレに叩きつけた。


「ソンナ……!?バカナ……!?我ガ……!?姉妹ノ絆二敗レル……ダト……!?」


私の拳を受けたソレは完全に消滅した。今、この場にいるのは「私」とアリーの3人だけになった。


「ありがとう……私……そして……私の代わりに妹を大切にしてあげてね……」


「私のもう1人のお姉様。私の想い……もし良かったらちゃんと受け取ってあげてくださいね」


「さぁ、行きましょう。アリー」


「はい!お姉様!」


2人はそう言うと、私の中に入っていく。えっ?ちょっ!?アリーまでも私の中に行っちゃったけどいいの!?コレ!?アリーの力の一部なんだし、アリーの所に行くべきなんじゃ!?それに、アリーが最後に言ったアリーの想いとは何の話なの!?


まぁ、いいか……やろうと思えばアリーに返せなくもないし……それに、せっかく姉妹が仲直り出来たんだものね……


「私の中で、姉妹仲良く暮らしてね……」


私は自分の胸を抑えてそう呟いた。


「まさか本当にどうにかしてくれるとは、本当に驚きました」


「ハッハハハハ!流石は我が弟子だな!天晴れな拳だったぞ!」


そう言って突然私の前に現れたのは、私を転生させてくれた女神らしき人物と、謎の青年だった。


えっ?女神さんはともかく、この人……誰?

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