53.shall we dance?

さて……相手をするのはいいんだけど、流石にココではマズいわね……


「いいでしょう。お相手してさしあげます。しかし、ここには王族の方々もいらっしゃいます。あなたも、流石に王族を怪我させて極刑にはされたくないでしょ?」


私の言葉にブドウ子爵は言葉を詰まらせる。まぁ、怪我うんぬんはなくても、罪は確定なのだけれど……


「外に出ましょう。そこでお相手してさしあげますわ」


私の言葉にブドウ子爵は黙って頷き、お供と一緒に店を出た。



さて、店を出たら、いつ情報が入ったのか人だかりが出来ていた。元々スラム街出身の人達だから、血の気が多いのがいるから、こういうイベントにノリノリでな人もいるのよね〜……。


「グヘへ……お嬢さん!悪く思うなよ!これも仕事だからな!」


「だな!その綺麗な服がはだけても文句は言うなよ!」


ブドウ子爵のお供がいやらしい視線を主に私の胸な向け下卑た笑みを浮かべる。ギャラリーの女性が冷ややかな視線をお供達にぶつける。私の可愛い妹ですら恐ろしいまでの殺気をぶつけている。同じ女性として許せないものがあるのね〜。


「お嬢様。ここは私がやりましょうか?」


キョウカが私にそう言って耳打ちをしてきた。が、私は首を横に振った。


「キョウカが出たら流石に相手が可哀想だわ。私1人でやるわ」


私はそう言ってお供達の前に一歩歩み出る。


「むしろ、そっちの方が可哀想だから進言したんですが……」


キョウカがそうボソリと漏らした言葉は私には聞き取れなかった。


さてと……私はブドウ子爵達に優雅に淑女の一礼をし、ダンスを踊る様なポーズをとった。それを見たブドウ子爵達は怪訝な表情を浮かべる。周りのギャラリー達も似たような反応だ。しかし、私は不敵な笑みを浮かべてこう言った。


「shall we dance?」


さぁ、楽しいダンスパーティーの始まりよ!

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