4.可愛い妹を振り切ってでも時にはやらねばならぬ事がある

月日はあっという間に流れて9歳になった私とアリー。9歳になって、妹は専属の教育係がつけられ、淑女としての教育を施されている。

えっ?私はどうなのかって?私には何故か最初から淑女マナーが頭の中にインプットされてる感じなので必要ないのである。それに、私は従者の人々からは嫌われてますからね〜。

だからと言って、私も遊んでる訳にはいかない。私は私で、「妹の幸せを守る」という命題を果たすべくやらねばならない事があるのだ。という訳で、そのやるべき事をやる為に出かけようとしたところで……


「だぁ〜れだ?」


と、言って私の目を、その愛らしく可愛いお手手で抑えて、これまたマイナスイオンでも発してるんじゃないかと言わんばかりの声で聞いてくるのは、私の超絶可愛いプリチー妹のアリー以外にいませんッ!!

しかも!私の背中には妹のいつか成長するであろう2つの実の感触があぁぁぁぁ!!!!?

まだ9歳だと侮っていたけど……この感触具合!将来はきっと男性を釘付けにしてしまう魔性の物に成長するに違いないわ!って言うか!あのお母様のDNAなんだもの!間違いなく成長するに決まってるわ!将来楽しみね!ヒャッホーウ!!

って!?何言ってんの!?私!?9歳の女の子の胸の感触だけで何文字消費してるの!?私!?ロリコンなの?ロリコンなの!?私!?いいえ!私はシスコンです!

って!?だから、落ち着け私!ビークール……ビークール……


「……アリーでしょ。全くイタズラっ子ね……」


私はなんとか平静を取り戻してそう答えた。


「うん!正解よ!流石はお姉様ね!」


そう言ってとびっきりの天使スマイルを魅せてくれる今日も天使な妹。はい。あなたのそのスマイルに今日も私は溶けてしまいそうです。


「ねぇ、お姉様。ノイエル町に行かない?」


突然、私の天使可愛い妹がそう言ってきた。えっ?なにこれ?もしかしてデートの誘い?もちろん答えはイエス!!なんだが……私には重大な使命がある……目的地としては同じなんだが……いや、しかし……妹の頼みならば……


「アリー様。どちらに行かれるおつもりですか?アリー様にはまだダンスレッスンがあるはずですが?」


私が妹と出かけるという甘いワードにどうしたものかと悩んでいると、最近アリーの教育係としてやって来た執事が私達の前に現れた。


「……ダンスレッスン開始までまだ時間があったはずよね?」


「大変申し訳ございません。急遽、私に予定が出来てしまい、レッスンをする時間を早めに行う形となりました。誠に申し訳ございません」


教育係はひたすら謝罪しているが、恐らく予定が入ったというのは嘘であろう。ようは、私と妹を近づけさせないようにする為の口実だ。

私は現在ヒエンとレイカ以外の従者に徹底的に嫌われている。しかも、私はやたらと出かける事が多い為、町でよからぬ事をしてるという憶測までたっている。悪役令嬢ならぬ不良令嬢というやつね。


「あっ!だったら!ダンスレッスンはお姉様も一緒にやりましょう!」


妹が超絶プリチーな笑顔でそう提案した。が、教育係は「お前には必要ないだろう」と言わんばかりの視線を私に送ってきた。

まぁ、実際何故か私にはダンスの基礎から応用まで身についているので本当に必要ない。私は軽く溜息をついて妹の頭を撫でた。


「アリー。ワガママを言って教育係の人を困らせてはダメよ。私は少し用があって出かけてくるから、いい子で待っててね。お土産も買ってきてあげるから。ね」


私はなるべく悪役顔にならないように必死な笑顔を浮かべて妹を説得した。妹は少し頰を膨らませていたが……(ちなみにその頰を膨らませた姿が可愛くて悶絶した)


「……分かりましたわ。お姉様……」


と言って、教育係の人と一緒にダンスレッスン場に向かって行った。


「…………この教育係も始末しないと……」


ふと、超絶可愛い私の妹がとんでもない事を言った気がするけど……うん。きっと私の気のせいよね……


その後、この教育係も解雇され、ガチガチムチムチなそっち系のお兄さんが通う娼館に売り飛ばされたと噂になった……




さて、私は目的地であるノイエル町に到着していた。ウィンガル王国は、王都を中心にし、その周りに各貴族が統治してる領地がある。

で、このノイエル町は我がステインローズ領の一角にある町なのだが、平民や商人達で活気があふれている。その中には数名の貴族が、この町での買い物を楽しんでいた。

今でこそこんなに活気溢れる町になってるが、2年前までは「ゴミ溜め」と呼ばれるスラム街であると、この町の様子を見てそれを信じる人は果たしているのだろうか……


私はそう思いながら、ノイエル町にある「マダムブックス」と書かれた建物の中に入っていった。

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