79.捕らわれたアリー

あの強力な魔法攻撃を受けてもクラーケンはしぶとく生き残っていたようだ。クラーケン本体は既に海底に潜り、それに引きずらていくように、クラーケンに捕らわれたアリーも海へと誘われてしまう。


「アリー!?こいつ!?アリーをどうする気よ!!?」


「クラーケンが漁船を襲う事はあっても、人をエサにしたというような報告はない!恐らくはスイカと間違えてるのだろう!」


「恐らく先程の雷魔法で色々な感覚が麻痺したせいでしょうね……」


カイン王子はジト目で睨むが、ヴィオル様は冷や汗をかきながらも……


「今は責任問題の有無を追求してる場合ではないでしょう!アリーちゃんを助けないと!?」


若干誤魔化してる感はあるが、今はヴィオル様の言う通りだ。早くアリーを救出しないとアリーも海底に沈められてしまい、アリーが溺死してしまう!?


「私が魔法で……!」


「アリーちゃん!それはダメよ!?アリーちゃんの身が危険だわ!?」


アリーが魔法でどうにかしようとするのをヴィオル様が止める。確かに、クラーケンの足に巻きつかれてる状態のアリーが抜け出す為に魔法を使ったら、アリーの身が危険だ。しかし……


「くっ……!?やっぱり魔法耐性が厄介ね……!?」


ヴィオル様がアリーを捕らえてるクラーケンの足に魔法を放つも、その強力な魔法耐性のせいで全くビクともしていない。しかし、魔法耐性をぶち抜く魔法を行使すれば、アリーの身が危ない。


王子様方や、お父様まで参加して、クラーケンの足からアリーを解放させようとするが、こちらもまるでビクともしていない……


「ここは俺が……!」


リンクスは持っていた自前の剣で、クラーケンの足を斬ろうとするが……


「なっ……!?硬い……!!?」


普通の剣ではクラーケンの足に傷一つ負わす事も出来ない。ならばと、魔法の力を込めた剣で斬りかかるも、それは魔法耐性のせいで全く通用しなかった。


「お姉……!様……!」


皆が必死になってクラーケンの足からアリーを救出しようとするも上手くいかず、アリーは結局海へと引きずりこまれてしまった……


「アリーーーーーーーーーーー!!!!」


最早私の頭の中はアリーを助ける事以外頭になかった。誰か分からない制止の言葉も聞かず、私はアリーを追って海へと飛び込んだ。

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