7.妹の為にも稼ぎます!その3

次に私が訪れたの「リーガル商会」というノイエル町で1番大きな建物だ。この家の使用人らしき人が私の存在に気づくと、すぐさま私をこの屋敷の主人がいる部屋まで案内された。


「ようこそ。今回はなんとお呼びすれば?」


「マダムAでもアンナでも好きに呼んで構わないわ。どうせあなたの事だから、私がこの町に来た事を聞きつけて人払いは完璧なんでしょう」


「当然です。この町であなたを知らない者はおりませんからな。すぐに私の耳に入ってくるんですよ」


私の言葉に自慢のヒゲを撫でながらそう答える壮年の男性。彼こそが、この「リーガル商会」の主のリーガル=ランバルトである。

彼は、元々は王子の商業区で働いている平民というか商人であったが、私がこの町で開発に成功した「チョコ」や「チーズ」に、私が採掘してきた鉱石や宝石を手渡し、それらを売りさばいて欲しいと頼んだ。彼はその珍しい品々の数々を見て非常に驚いていたが、彼はそれらを安価で多くの人々に売りさばいてみせて、私やノイエル町に多大なる財を築き上げてくれた。私ことマダムAがこの町のボスなら、リーガルは裏ボスである。

で、私が王都まで通い詰めるのを時間の無駄と感じたリーガルは、妻と一緒にこの町に越してきて、町の人々に商売の知識を与えた事で、今のこのような町まで発展させたのである。私も自分の事をチートだと思ってはいたが、リーガルも大概チートである。


「いらっしゃいませ。アンナ様。紅茶はストレートにしますか?それともロイヤルミルクティーにいたしますか?」


「あっ、アマリス。それじゃあロイヤルミルクティーでお願い」


私がそうお願いすると、リーガルの妻のアマリス=ランバルトはニコリと微笑んで「かしこまりました」と言ってロイヤルミルクティーを淹れてくれた。

ん〜。相変わらずアマリスは美しいわね〜……この町の裏ボスことリーガルもアマリスに弱い。それは、尻に敷かれてるとかではなく、アマリスを大切にしすぎてという感じの弱さである。商談の話をする時も稀に惚気だすのよね〜……


「どうぞ。アンナ様」


「ありがとう。アマリス」


私はアマリスが淹れてくれたロイヤルミルクティーを一口飲んだ。ちなみに、ロイヤルミルクティーも私ことマダムAが流行らせた。

そもそも、紅茶は貴族の飲み物というイメージがついてしまったのは、紅茶の茶葉が高値で、平民達では手が出せない価格だからである。

が、しかし、東方の国では紅茶に限らず、あらゆるお茶の葉が栽培されていた。ので、東方では安価でも紅茶を手に入れる事が可能であった為、私は紅茶の茶葉を東方で大量に買い込み、それをノイエル町で栽培することで、紅茶を安価で平民にも嗜むことが出来る飲み物にした。

が、それで飽き足らず、私は紅茶はストレートにして飲む物だという概念を打ち消すべく、牛乳を入れて飲むロイヤルミルクティーをうちたてた。まぁ、ぶっちゃけ普通のミルクティーなんだが、ロイヤルミルクティーという名前にしたらうけるかなって思いそれにした。

まぁ、はじめこそ平民達には受け入れられたが、貴族の間では下賤な飲み物扱いされたが、そこは我が両親と超絶可愛いプリチー妹。3人にロイヤルミルクティーをすすめたところ……


「うん!これは美味しいね!」


「まさか紅茶にこんな美味しい飲み方があるなんて知らなかったわ!」


「とっても美味しいよ!お姉様!!」


と、3人が絶賛すれば、それが貴族達の間であれよあれよという間に広まっていき、今では貴族の方々もロイヤルミルクティーを嗜むようになったのである。流石は美形一家のお貴族(私を除く)である。


「さて、それじゃあ今月の報告を聞かせてちょうだい。リーガル」


「かしこまりました。最近新たにマダムA様が考案された抹茶に緑茶は、だいぶ貴族の方々にもご好評いただいておりますね。それから他にも、リンスと柑橘系の香りのする香水の売れ行きは順調です」


リーガルは淡々と私が考案した商品の売高の報告をしていく。まぁ、私が考案というよりは、前世の私の知識から得た物なんだけどね。前世の知識様々である。


「なるほど。売れ行きが好調でなによりだわ。これからもこの調子で頼むわね」


「お任せください」


「それから、これもよろしく頼むわね」


私はそう言って目の前のテーブルに大量の鉱石や宝石の数々を置いた。


「相変わらずどれもこれも質のいい鉱石や宝石ばかりですね。これだけ質のいいのは龍が住まう龍の巣でしか採れないはずですが、一体どうやって採掘されてるのやら……」


「うふふ……それはいつも言ってる通り企業秘密よ♡」


私はリーガルの言葉に淑女の微笑みを浮かべてそう答えた。

まぁ、企業秘密も何もリーガルの言う通り龍の巣で採掘してきたんだけど……

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