第14話 軍法会議

 その翌日……防衛庁長官の緊急会見があった。


『国籍不明機』が領空侵犯し、これを迎撃する為に戦闘機が緊急発進スクランブルしたが、後に大規模なハリボテによる『いたずら』である事が判明し、そのハリボテはミサイルによって撃ち堕とされた……と言う。


 マスコミから『東京上空にミサイルが飛来した』との目撃情報が多数寄せられたが、それは空自の誤射のせいではないか……との指摘があった。


 しかし、それも何者かによる『いたずら』との見方が強まった……との事だった。




「……ユイ……これ、『あれ』だろ? ……大変な事になってるじゃん!」


ユイは事も無げに


「仕方が無いのだ。 ……軍法会議で情報参謀と作戦参謀……及び『そよかぜtender breeze』の衛鬼兵えいきへいが有罪判決を受けたから、今はだ〜れも偽装工作が出来んのだ」……と言った。


 ゆ、有罪……判決!


 俺は、呑気にキャンディーをガリガリ噛って食べていたユイの肩を掴み


「有罪って!? 悪いのは『斬鬼軍』だろ? ……何であいつらが罰を受けなきゃならないんだ?」と言った。


ユイは「ミサイルの残数のカウントを間違えた事は事実だ。……罰は受けて貰う」


俺が、掴んでいる手に力を込めて


「で、どんな罰なんだ!」


 まさか……死刑じゃぇだろうな……。


 ユイは、例の不敵な笑みで……


「停職、地球自転3回ぶんだ」


 ……と言った。


 『停職3日』か……。


 俺はユイから手を離し、ホッと胸を撫で下ろした。


 今回は、みんな疲れただろうから、少しゆっくりして貰おう。



 ノックの音がしてドアを開けると……


 ……!


 ひょろ長!


「こ、こんな所にそんな姿で来て、だ、大丈夫だったんですか!?」


 情報参謀は「はい……何か変ですカ?」


……と、コミカルボイスで言った。


ユイが相変わらずキャンディーをガリガリし、寝そべりながら……


「情報参謀の手腕は『八瀬の国』の一件でわかっておろう」と言った。


 ……情報参謀は頭を下げながら……


「この度はご心配とご迷惑、並びに、すんでのご機転で我等やこの世界をお救い下さった閣下に、勲章をお持ちした次第です!」


 ……!


 え!?


 俺が……叙勲じょくんん〜!?

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