第6話『龍』

 航空自衛隊四沢よつざわ基地から、最新鋭のF-350A戦闘機3機が緊急発進スクランブルした。



 ……数分後、国籍不明アンノウン機に接近した一番機パイロットが……


「えっ! えぇ〜!?」


 ……と素っ頓狂すっとんきょうな声をあげた! それは、常に冷静沈着な筈の戦闘機パイロットとは思えない声だった。


 伊丹司令がホットラインを通じて、


「なんだ! どうした! 国籍は!?」と、戦闘機パイロットに尋ねるも……


「……お待ち下さいスタンディングバイ


 その後、暫く通信が途絶え……通信復帰後の一言に、一同が驚愕した……。


「……こ、国籍不明! 機種不明! ……生物です! き、巨大な……『ドラゴン』の様に見えますっ!」



 伊丹司令が


「二番機、三番機、目視出来るか? 報告をっ!」


 ……と怒鳴るように聴くと……


「一番機……柳原三佐の報告と……同文……であります」



 ……。


 

「コホンッ……で……その『ドラゴン』い、いや、国籍不明アンノウン機は、攻撃の意図がありそうか?」



「……! 国籍不明機アンノウン、口から火球を吹き出しました! 恐らく、威嚇攻撃と思われます! 司令! 攻撃許可を!」


 ここでの判断ミスは、自衛隊員、いては日本の安全をおびやかす結果となる。


 伊丹司令が


「責任は俺が取る! 全機攻撃開始! 撃ち落とせ!」


 ……と叫んだ!

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