第11話 軍議

 議場? 『議事ドーム』というらしいが、中には、巨大で不気味な銅像? が林立りんりつしていた。


 俺がポカ〜〜ンと口を開けたままあちこちを見回していると


「軍議をらすぞ。 着席せい」


 と言われた。 ……声のするほうを見ると……


 ……!


 女の子は勲章がジャラジャラ付いた軍服のコスプレをしている。 大胆に露出した、白く華奢な脚が、上半身の粗暴さとの好対照をしていた。


 ……!?



 あれっ!? 俺もコスプレしてる! さすがに少女のショートパンツスタイルではなく、カッコ良いスラックスだ。 胸には、例の徽章バッヂが、燦然さんぜんと輝いている。


 ……って言うか……これ、コスプレじゃ無いの? 本物モノホンの軍服〜!?


 恐る恐る、荘厳な装飾が施された『玉座』のような椅子に座る。


 それとときを同じくして、


「これより、軍議をらす」という、耳をつんざき、腹にこたえる地響きのような声がした。


 すぐ横の銅像が、こちらを視た。


 ……銅像じゃない! か、怪獣だ!


初見はつ まみえにて。 それがしは、『衛鬼兵団えいきへいだん参謀本部、総参謀』です。 以後、お見知りおきを」と、怪獣が頭を下げた。 俺も同様に頭を下げた。


ず総司令閣下より、今回の評議内容のご提示を、お願いしたく存じます」 ……低音で良く通る声の上に間近まぢかなので、こちらを向かれると鼓膜が破れそうだ。


 俺は女の子に「評議内容って、何だっけ?」……と聴いた。


先程さきほど、『アノコ』の『フウセン』をどうのと申しておったでは無いか」


 あ〜、あれかあ ……あんなのを評議……すんの?

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