第12話 大綱《たいこう》
「第2公園で、風船を離しちゃった子の、風船を取って上げたい……んですが……」
総参謀長が
参謀たちは
「情報参謀」
……総参謀長が指名すると、俺たちと同じ
すると、壁の一部が左右に割れ、スクリーンらしき物が出現した。 そこには、泣いている子供と、飛んで行った風船が写っている。
「え〜、
「この
『フヨウセイガング』!? ……ああ『ふうせん』の事か。 まどろっこしいなあ……。
情報参謀は夢中で、風船が『浮揚』する原理を説明しているが、その説明を聴いていたら、大学時代の化学の授業を思い出し、条件反射で、ついウトウトしてしまった。
「総司令閣下」
「……」
「総・司・令・閣・下!」
……。 やべっ、寝ちゃってた。 ……総司令って…… あっ! 俺か!
「は、はいっ、何でしょ?」
「
「はっ」
……今度は、打って変わって、いかにも
「
スクリーンに、模式図が表示された。
「
ふむふむ……ヘリウムガスが抜けて、風船が高度を下げた。
「
おっ、風船が移動して、子供が持ち手を握ったっぽい! ……でも、風船の高度は顔と同じ位の高さだ。 飛んで行く心配は無いかも知れないが、こんな風船、面白くも何ともない。
「……そして再び狙撃により、当玩具の給気口
バ! バラストタンク〜!? 昔、潜水艦のマンガかアニメで観たような記憶が……。
「最終工程としてバラストタンクをブローし、浮力を与え、任務を終える。 ……このような作戦で、宜しいか?」
『宜しいか?』と言われましても……
こちとら、風船を取って貰いたいだけで、風船を潜水艦に改造してくれ……と頼んだ覚えはない!
……とは言え、逆らおうものなら、こいつらに食べられちゃうんじゃない!? ……みたいな怖さが先に立って、余計な発言が出来なかった。
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