第14話 叱咤

 ユイは、怒りが収まらない様子で、立ち上がって参謀たちを睨みつけている。


 ……参謀たちは顔を伏せ、恐縮している様子だ。 ちょっと可愛い♡


「作戦参謀っ!」


おうっ!」


 ユイに指名された、あの圧倒的大迫力の作戦参謀は、まるで新兵のように速攻そっこーで立ち上がった。


「貴官は如何いかなる立案をしたか此処ここで示せっ!」


「はっ! 主に、目標ターゲット2名のみを残し、殲滅ジェノサイドする作戦、あるいは『鷹音ようおん 野華ひろか』を脅迫して服従させる作戦を中心に検討致しました」


 お、おっかねぇ〜〜! 



 危なかった〜!


 計画中止で良かったぁ〜。


「そうか……定石セオリー通りだな……」


 ……と、ユイがうなるように言った。


 セオリー……通り……?


 ちょっと待ってくれ。 こんな滅茶苦茶な作戦がセオリー……って!


 こいつらと俺たちとは、全く違う生き物だというのを、改めて思い知らされた。


 ……そもそも、自分のせいで人類が絶滅した世界で愛をはぐくむ……なんて、出来る筈がない。 そんな奴は、最早もはや、人じゃない、ただのけだものだ!


 その時、俺は唐突に理解した。


 こいつらの世界には『優しさ』や『思いやり』が存在しない。


 ……つまり……『愛』が無いんだ!

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