第17話 宣言

 ユイの“絶対防衛A・D”の発動アクションにより、俺たちは再び、野華ひろかさんの部屋に移動した。 


 以前、野華さんが言ってくれたが、ここは、この世界の臨時司令官である俺が『絶対的な不可侵安全区域』として願った場所……なんだけど……


 ……なんか……


 ……前回と比べると、野華さんのお部屋……狭くなってないですか〜?



 …………


 いや……違う! 


『人口密度』が高くなっていたんだ!


 ……野華さんのお部屋は決して狭く無い。 むしろ……俺、野華さん、ユイ、落合さん、佐奈ちゃん……の5人で語り合うには充分な広さだった。


 それが、今はこのお部屋に、上記のメンバーに加え、バウンティ・アーミーの5人と『白い兵士』だった『刀根とね 朔也さくや』の計6人が追加され、11人がすし詰め状態だ!


 ……まあ……俺と佐奈ちゃんは、思いもよらず、大好きな人と密着出来ているので、悪い気はしない。 それどころか……パラダイスやぁ〜♡


 コホン……ただ、一番背が低く、酸欠になりそうなユイは、必死に人の波から顔を出して……「お、おい! 兄! な……何とかせい!」と叫んだ。


 ……いや、そう言われても、どうしたら良いやら、皆目見当がつかない……正直、いまだに何が起きているのか理解していないのだ。


「……たいらさん……いや、平司令官! 私達は元々もともと、コマイ先生が創り出した『キャラクター』ですから、先生の設定次第で如何様いかようにもなります!」 ……と、バウンティー・アーミーのリーダーが言った。


 え? そうなの!?


 次いで、リーダーは落合さんに……「先生、ご指示を!」……と言った。


「なるほど! じゃあ『バウンティー・アーミーの方々は伸縮自在』って設定でどうでしょう!」 ……さすが、作者である落合さんは理解が素早い!


 リーダーが「応諾コンプライアンス!」……と言ったと同時に、5人がハムスターくらいの大きさに縮んだ。 


 ……更に、見た目が『3頭身キャラ』に変化して、机の上に並んで、笑顔でこちらを見上げている! 


 野華さん、落合さん、佐奈ちゃんの3人娘が声を揃えて「か〜わい〜い♡」と言って、彼らを眺めている。


 …………? 


 あれ? 誰か足りなくね!?


 あ……『王牙おうが 刀弧とうこ』が居ない。


 ユイに「例の女司令官はどうした?」……と聴くと……


彼奴あやつは、兄に『洗脳装置』を取り付けようとしておったので、そのまま、に放置してきた。 多分『危険分子』に認定されて『銀河の清き流れ』とやらに送られ、あまにでもなって帰ってくるであろう」……と言った。


 ……! 王牙が振り上げていたのは、俺を洗脳する為の装置だったのか。 ……怖え〜!(汗)


「さて……今次戦も、我が『衛鬼兵団』の完全勝利で終戦を迎えた! 諸君らの健闘に、心より感謝申し上げる!」


 ……ユイが唐突に『戦闘終結』を宣言した!?


 ……ど……どゆこと!? 全員が呆気にとられてユイを見た。


 ……ユイは、相変わらず不敵な笑みを浮かべている!


 …………


 …………こりゃきっと、次回は『解説回』だな……。

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