第6話 Don Alonso Quijano
こ!ここ!ころ!ころろ!こころ!←(混乱)のクラスメイト……って……平たく言えば『実在しない』ってここ!ころ!ことぉ!?←(混乱)
『バッチ〜ン!』……ユイの平手打ちが俺の背中を襲い、軽快な破裂音が鳴り響いた。
「仮にも、衛鬼兵団の司令官が、何を混乱しておる!?」
……文字通り『仮』の司令官だけども! これは混乱するでしょーが!
「だって『
「馬鹿者! 我等は『
あ、また
……それにしても……違うんだよなあ〜、解ってないんだなあ〜…。
「『人間』は、『
……ユイが俺を睨みつけている。 俺も『ここで
「ま、待って下さい!」
……佐奈ちゃんが、泣きながら二人の間に割り込んで来て……
「ごめんなさい! わたしが変なお願いしたせいで仲の良かったお二人が喧嘩しちゃうなら、もう良い! もう良いです! 」
「や、やぬし、待て待て! 喧嘩
いててて! ユイは相変わらず
「そ……そうだよ! ……これは『口論』……じゃ無かった『論説』だよ『論説』!」
このままユイに逆らったら、大切な左腕が、もぎ取られかねないから、泣く泣く迎合した。
「佐奈ちゃん……その、実在しない彼氏……『
「……わたしも……無茶言ってるって言うのは……
「兄! 聴いたか! やぬしは、あたし達を見込んで頼ってくれたのだぞ!? これで却下したら、それこそ衛鬼兵団の名折れぞ!」……と、ユイが綺麗な涙を
……ユイと佐奈ちゃん……2人の美しい涙を見たら、何とかするしかない……かあ……。
……俺は、昔、学校の図書館で読んだ『ドン・キホーテ』で、主人公が風車を敵に見立てて攻撃を仕掛け、従者のサンチョ・パンサが必死に止めようとしているシーンを思い出していた。
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