第1章『運命の出会い』

第1話 女の子

 ある日、コンビニで弁当を買ってアパートに帰る途中、夕陽があまりにも綺麗だったので見惚みとれていると、突然『キューン』という、聴き慣れない音がした。


 そちらに目をやると、金ピカに輝く鳥? みたいなもんがこちらに向かって飛んで来た!


 ……慌てて身構えたが、そいつは俺の頭上で急停止し、カエデのたねのようにクルクル回って、足元に落ちた。


 拾い上げると、ちょっとカッコ良い『龍のバッジ』? のようだった。


 何気なくそれを胸に当てると、まるで磁石のように、胸に貼り付いた。


 引っ張っても……取れない!


 高価な物だとまずいと思い、そのまま交番へ行こう……と歩き始めた俺の前に、突然誰かが立ち塞がった。

 

 ……!? 


 女の子だ! 


 ……この子……今、何も無い空間から、ひょっこり『出現』した……よね!?


 何回か目をこすったが、女の子は消えない。


 年の頃なら13、4歳か? おさなさの中にも気品があり、あと数年もすれば誰もが振り返る美人になるだろう。


 試しに、女の子の左のほっぺたを指で押してみると、張りのある肌の感触が指に伝わって来た。


 その子は、俺の手を払い


「……貴様、何奴なにやつ? 所属と階級を申せ」と、アニメのキャラクターみたいな可愛い声で言った。


 まぼろしでは無いようだ。

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