第2話 傭兵

「このままではらちが明かん」ユイが立ち上がって発言した。


「やはり、貴様らとあたしたちとは、根本的に異質なのだ。 恐らく合意は得られまい。 ……軍議を続けても時間の無駄ではあるまいか?」……ユイの言葉に、参謀たちが同意の声を上げる。 ……これには、俺も同意した。


 参謀長の「満場一致により、これにて軍議を終える」の辞で、お開きとなった。


 作戦参謀が俺に近づき、申し訳無さそうに……「自分の理解力の低さが露呈ろていしたようだ。 ……自分は、ずっと戦場におったので、して軍議をするのは苦手なのだ。 謝罪致す」 ……と言って、頭を下げた。例によって俺の頭上ではあるが。


「そんな! 気にしないで下さい。 作戦参謀には、この前の八瀬やせの件でも、本当にお世話になりました。 また、力になって下さい」と頭を下げると、作戦参謀は答礼して消えた。 あいつも、清々すがすがしくて良いやつだ。


 さて、衛鬼兵団えいきへいだんが駄目となると、相談出来る相手は……



たいらさ~ん! ユイ閣下~!」


 公園で待ち合わせて現れたのは、またまた登場! 俺のもう一人の傭兵ようへい、『長瀬正治』二等だ。

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