第2話 従軍看護師
「きゃあ〜!」……と、落合さんが悲鳴をあげた!
その悲鳴を聞いて、慌てて飛び出して来た佐奈ちゃんは、俺が朔也くんの刀を素手で握っている状況を見て、声も出せずに口を抑えて立ちすくんでいる。 ……佐奈ちゃんは、まだ中学生だ。 自分のクラスメイトが刀で誰かを切りつけている光景は、かなりショックだったんだろう。
……そんな状況下、冷静に勇敢な行動を見せてくれたのは、俺が心から愛して止まない『
救急箱を手に俺の近くまで来て。朔也くんの研ぎ澄まされた刀を恐れる素振りも無く俺の腕を支え……「
何かに刺されたり、切られたりして、その刃物が刺さったままの時は止血が完了するまで抜かないのが鉄則だと言う。 出血多量で命の危険があるからだ。 ……
……野華さんが、何故そんな知識があるのか不思議だったのだが、実は、俺が衛鬼兵団の臨時司令官に任命された事を知った野華さんは、お友達の看護師さんから、応急手当のレクチャーを受けていたのだ。 ……万が一、俺が大怪我を負った時の為に……。
おっと、話が逸れた!
……俺は刀から手を離し「ごめん、野華さん! 大丈夫です!」……と言いながら手の平を見せた。
かなり強く握っていたのでくっきりと
「戦闘中は『司令徽章』が
以前、全身をユイに打撃された時も、痣が残る程度で大怪我には至らなかった。
……それを聞いて緊張が解けたからか、野華さんの表情が緩み「良かった! 安心しました」と笑顔をくれた。 よく見ると、目が真っ赤だ! 余計な心配をさせてしまったな……反省……。
「な、何があったんですか?」……と佐奈ちゃんが心配そうに聴いた。
「……俺も良く判らないんだけど、朔也くんが、この
そう……そこには不安げな顔をした美しい女性が俺たちを見上げている。
「……俺たちの仲間が失礼しました。 ……大丈夫ですか?」
その
……俺は、恐らく司令徽章の影響でフリーズしてしまっている朔也くんを指差して「
女性は、また小さく頷いた。
……朔也くんは、数分前に人格を付与された、言わば『産まれたて』だ。 その朔也くんを知ってるのは現実ではあり得ない筈……だった。
その時、突然、元バウンティ・アーミーの三人が近付いて
……! えっ!? ……って事は……!
元バウンティ・アーミーのリーダーが言った。
「このお
う、
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