第3話 責任
こ、この女性が、あの『バウンティ・アーミー』指揮官……『
さっき、王牙が俺に襲い掛かった時の顔は一生忘れられないよ~。(本編 第12章『絶対的非武装区域』 第16話 戦時行政職権特例法502号 をご参照下さい) ……夢で、うなされるレベルだ。
落合さんが「……もし、この女性が本当に王牙なら、右肩にX字形の痣があるはずです」と言った。
女性が、右腕の緩い袖を肩まで上げると……
……あった……! 刀がぶっ違いに重なったような痣がくっきりと!
「……
ホントだ! 『オウガ トウコ』と言ったぞ!
「……恐らく王牙様は『銀河の清き流れ』で、徹底的に
宇宙の神秘すげっ!
そうか! ……ユイによる『特例“
……って、そう言えば……朔也くんの事を忘れてた!
朔也くんは、俺が刀を受け止めた時と同じポーズのままだ。
佐奈ちゃんが心配そうに朔也くんを見守っていたが、数秒でフリーズが解除された。
瞬時に状況を理解した朔也くんが、一歩下がって俺に向かって平伏し……
「
……なんか、ユイよりも古めかしい事を言うなあ。
それを聞いた佐奈ちゃんが、朔也くんの横で正座し「朔也くんの罪は、私の罪です! どうか私に罰をお与え下さい!」と言って、これまた地面に額を擦り付けている。
……朔也くんが慌てて「な、何を申される! 佐奈殿には、何の罪も有り申さぬ! 今回は、全て
「とんでもない! 朔也くんは、私の妄想から生まれた人です! 全ての責任は私にあります!」
今の時代『全ての責任は自分にある』……と言える人がどの
……そんな俺の気持ちを察してか、野華さんが俺に向かって……
「総司令閣下……私からも、お願い申し上げます。 何卒、寛大なるご処分を」……と言って、最敬礼した。
……俺は野華さんに頷き返し、二人に向かって話しかけた。
「
「はっ! 何なりと!」
「今回の行動は不問に付す。 しかし今後は、戦時以外、専守防衛に努めよ!」
「御意!」
「佐奈ちゃんには、お願いがある!」
「は、はい?」
「朔也くんに、俺たち人間の事を色々教えてあげて欲しい。 ……何せ、朔也くんのパーソナリティを構築したのは、闘うことしか能の無い『衛鬼兵団』だ。 考え方や行動が危険極まりない! ……優しい気持ちを持った佐奈ちゃんなら、必ず朔也くんを慈悲深い、方正な『人間』にしてくれるだろう。 頼むよ!」
「はい! 頑張ります!」
……野華さんと目が合った。 野華さんは笑顔で一礼してくれた。
さて『これにて一件落着!』……と言いたい所だが、実は何一つ解決していない。
王牙……改め『皇雅』は、こんな『美女』の姿になってしまったし、ユイは怯えたまま……!?
あっ! 忘れてた!
「ユイ〜っ」俺は、野華さんと一緒に、再び野華さんのお部屋に戻った。
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