第4話 講義『戦国時代』(1)

 ユイは、作戦参謀に声をかけ「此奴こやつ鷹音ようおんの『セッテン』をつくる戦略を示せ」……と命じた。


「御意」


 ……作戦参謀は、消えたと思ったら、文字通り、またたに姿を現した。


 ……え? もう出来たの?


「お待たせした。」


 いやいや、待って無いから!


 作戦参謀が、スクリーンの前に移動すると同時に、古い日本地図が表示された。


 なんだ? 歴史の講義でも始めるのか??


 地図の一部がクローズアップされ、色分けされた『領地』らしいものが表示された。


 青と赤の領地の間に挟まれ、双方から削り取られてしまったような細長い、黄色い線が入っている。


 「たいら殿どのの世界の単位で言う、四百五十年前の『永禄十一年』に、青色せいしょくで示した『甲嶽かだけ』の国の武将『岩熊いわぐま 剛勝たけかつ』の軍、二千が、黄色おうしょくで示した『八瀬やせ』の国に攻め入る、『甲八こうはちえき』が起きた。」


 おいおい、本当に歴史の講義を始めたぞ!

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