第13話 天使
「
到着ロビーで待つ俺たちの耳に、常夏の国から届いた、砂浜に寄せては返す波音の
実物に会うのは久しぶり!
し、しかも聞いた? ……『平さん
……毎日のようにLINEに届いていた自撮り写真と比べると、より健康的に日焼けして見えた。
落合さん、その役、代わって下さい。
その
……俺は、長瀬に
「悪い……、
「最初からそのつもりだったから大丈夫ですよ」と言ってくれた。
更に俺に耳打ちして……「ユイ閣下には、藤岡さんと一緒に、
……本心かどうか判らないが、長瀬が気を利かせてくれた……とも考えられる。 俺は有難くて、心からの感謝を込めて長瀬に頭を下げた。
「初めまして。 私、
「
「とんでも御座いません! 本日は、
「いえいえ、そんな
昔から脈々と続くサラリーマンの悲哀を描いたドラマのようなやり取りが続いたが、結局、後日、
俺は、もう死んでも良い…… やべっ、このタイミングで、その
車内は、終始和やかムードで、特にお父さんがご機嫌だった。
バックミラーで見ると、弐号車も、皆、ニコニコしながら会話をしている。
ユイも、さっきの寂しげな顔が嘘のように、いつもの不敵な笑顔で、何かを話している。
助手席では、疲れからか
赤信号で停車した時、俺は冷房を弱めながら、天使の寝顔を見て、こう思った……
……先の事はどうなるか、全く判らない。
今は一歩でも幸せに近づく事だけを考えて生きて行こう……と。
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