第11話 絶叫

 俺が再び、ユイを引き倒した。


「時間が無い! 兄! 死ぬ気か!」


 ユイが泣き叫ぶ!



 俺は、ユイをしっかり抱き締めて、こう叫んだ。


「ユイ! 落ち着け! ……俺には『司令徽章』があるから護られている! それより、ミサイルの処理方法を考えろ!」



「それは、あたしも考えた! しかし、どの方策も被害が出る!」



 ……『被害』……?


 ミサイルの被害……それは、激しく当たって爆発するから起きるんだ。 ……軌道を変えても『爆発』する限り、何処どこかに必ず被害は発生してしまう。


 ユイが自分を犠牲にしてまで『細胞配列変換』する……と言っているからには、爆薬を何かに変換する方法が他には無いのだろう。


 ……と、なれば……『あの方法』しか……ない。



 既にミサイルは、その機体がはっきりと目視できる程、接近している!



 俺は、ユイを抱いたまま、大きく息を吸い込んだ! そして……


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る