第7話『刀根《とね》 朔也《さくや》』
ユイが、懐疑的な目で、俺を睨みつけている。
……いやいや、この状況で冗談を言っている場合じゃ無いだろ!
「ふざけてないで、こいつを何とかしてくれ!」←他力本願
その時!
「刀根君! やっぱり、本当にいたんだ!」……と、紗奈ちゃんの声が俺の背中から聞こえた。
ええっ!?
ま! ま! まさか!
俺を羽交い締めにしていた手を無理やり引き剥がして振り返ると……
さ、紗奈ちゃん!
今度は紗奈ちゃんが、前から抱き付いて来た!
な! な! 何事ぉ〜〜!
「さ、紗奈ちゃん! 落ち着いて! 俺だよ!
……ん?
……ユイが近付き、もう一度俺に向かって「所属と階級を申せ!」……と言った。
「何言ってんだ! 俺は『
…………あれ?
ユイは「知らん」……と言って、プイッと横を向いた。
……俺……今、なんて言った?
「やっぱり朔也君だ! その赤い瞳! 金色の髪! 何より、お鼻の上の
……胸……
あれ? 司令徽章は!?
……ユイの胸……にも付いていない。
「貴様……兄を
ユイが俺に
紗奈ちゃんが、咄嗟に俺とユイの間に割って入り「ユイさん! 待って! 朔也君は関係ありません! 犯人は、きっと『バウンティ・アーミー』です!」
『バウンティ・アーミー』……落合さんの小説に登場する『斬鬼軍』のような『敵軍』だ。
ユイがサーベルを下ろしたと同時に殺気が消えたので難を逃れたようだが……こ、これは一体……どうなってるんだ?
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