第6話 急変

 ……野華ひろかさんのポトフで、心もお腹も満たされ、ま〜ったりとした時間が流れた。


 ……さて……と……。 ……取り敢えず、落合さんにも『衛鬼兵団』の事を知って貰えたし、紗奈ちゃんの『クラスメイト』の件も、今度ゆっくり話し合おう。


 ……落合さんは、野華ひろかさんのお宅まで自動車で来たそうなので、ずはお見送りする事にした。


 ……『司令徽章』に、絶対防衛A・D解除を命じると……


 バカでかい、雷鳴のような音と、閃光が走った! それと同時に、野華さん以外の四人が部屋から弾かれたように、激しく押し出された!




 ……ん


 ……!


 やべっ! 気絶してた?


 ……いててて……凄い勢いで転がったので、肘や膝が痛い……。


 はっ! 皆は!?


 さすが、ユイは既に凛として立ち上がり、あたりを警戒している。


 あ! 落合さん! ……俺は、横に居た落合さんを抱き起こし、必死に声をかけた!


 ……落合さんの目がゆっくりと開き、目が合った。 ……それと同時に、落合さんが俺の手を振りほどいて逃げて行ってしまった!


 ……? ……怪我は無さそうだな……。


 そ、そうだ! 紗奈ちゃん!


「紗奈ちゃ」……と、探そうとして声を上げたら、うしろから誰かに羽交い締めにされた! す……凄いチカラだ!


「ユイ〜! ……何とかしてくれ〜」……相変わらず、司令官としての自覚がない俺は、自分でも情けない声を出した。


 ユイが少し離れた場所から……


貴様きさま何奴なにやつ。 ……所属と階級をもうせ」


 ……えっ?

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