第9話 記憶……?

 う〜ん! さっぱりした! ……無精ぶしょうひげも剃って、爽快そのものだ。


 カーテンをくぐり、居間に入る。


 ユイが俺を見て、こちらに向き直り「ほぉ、男前になったではないか」 ……と、お世辞を言った。


 せやい! 照れるじゃん。 


 って、おい! 頼むから、ボタン閉めろ! 

 


 ……ってか、更に付け加えさせて貰うが、その前に、下着くらいけろ〜!


 明後日あさっての方向を見ながら、俺が貸してやったYシャツのボタンを閉めつつ……


「ところで、君は何で妹……『友結ゆい』を知ってたんだ?」 ……といた。


「貴様が『司令徽章きしょう』を拾得したと同時に、情報参謀に命じて、貴様のすべてを調べげた。 万が一、我々とあいたいする思想があらば、まずい……からな」


 なるほど。 ……親しい友人にすら話した事が無い友結ゆいの事まで調べ上げるとは…… こいつら、本当にすげぇな。


 ……ん? 俺の頭の中で、また、何かが思い出された……。 ……以前、誰かに、泣きながら妹の事を話し、一緒に大泣きした……気がする……?


 ……駄目だ! 思い出せない……。



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