第13話 疾走
俺とユイは『司令徽章』で『陸上要塞』の屋上に通じる階段に
階段を上がり、屋上に戻るが、
手分けして探すが、やはり何処にもいない。
ユイが『司令徽章』に、「
急いで階段を駆け降り、鷹音さんの居場所に向かった。
「
「
……ふたりで呼ぶと、
「
……と言って、俺のスマホを渡してくれた。 さっき、慌てて落としちゃったんだな。
「壊れて無ければ……良いですが……」
鷹音さんがスマホを覗き込み、スッと目を
「……大丈夫です! 頑丈なカバー買っておいて良かった」
……と、俺が笑顔で言うと、
「申し訳ありません……覗く気は全く無かったのですが……目に入っちゃって……」
……目に……入る……?
……!
やばっ! 待ち受け画面!
……そこには、
「あ〜〜! ご、ごめんなさい! 許可も得ず!」
俺は慌てて、必死に頭を下げた!
……ユイが、俺の腕を肘で突き、笑顔で軽く手を振って、背中を向けて走って行った。
空には、未だ花火が俺たちを断続的に照らしている!
「
「はい?」
……
俺は、深々と頭を下げ、こう言った。
「俺と、付き合って下さい!」
……前から、ずっと追い続けていた
……しかし、顔を上げるのが……怖い!
……俺の左腕を誰かが掴んだ。 目を向けると……
…………
「平さん……おかしな事、仰らないで下さい……」
……え?
「私達…もう付き合ってるじゃないですか!」
俺の目から、涙が噴き出していたから……だ!
「あれ? ユイちゃんは?」
「あ……先に帰りました!」
……
「じゃあ、二人でさっきの屋上に戻りましょ! 折角の花火が終わっちゃいますよ!」
……と、組んだ腕を離し、手を握って走り出した。
俺も手を握り返し、一緒に屋上に向って走った。
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