第2話 提案

 ……長瀬と青木さんとの出合いの話や、藤岡さんと落合さんの馴れ初めの話などに花が咲いていたが、青木さんが……


「そうだ! もう1つお祝いがあるんです!」


 ……と言った。


 ……何だ? お目出度めでたか?


「落合さんのWeb小説が『現代ファンタジー部門』で一位になりました!」


 す、すげぇ! 知り合いに小説家がいるなんて!


 全員で、盛大な拍手を落合さんに送った!


 ……落合さんが、耳を真っ赤にして……


「違うんです! 私の『才能』じゃ無くて、読者の皆さんが私の話の『主人公』に憧れを持ってくれたから……なんです!」


 ……そう言えば、ずっと鷹音ようおんさん攻略……に掛かりっきりだったから、落合さんの小説を読んでいなったっけ……。


 宇宙から来た『流浪の軍隊』が、偶然出会った少女の片思いを叶える為の戦争をする……と言うストーリー……と聞いた時は、驚いたよ。


 スマホで落合さんのページを開くと……


 沢山の激励の言葉と一緒に『私も、こんな軍団にお願い事があります!』とか『私が主人公なら、こんな戦いをして欲しい』……との『提案』が、数多く寄せられていた!


 俺の横から一緒にスマホをていたユイが、目を輝かせて、例の『不敵な笑み』を浮かべ、俺を嬉しそうに見た!

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