第5話 絶望
俺たちは、その日の為に着々と準備を進めた。
……実は、そんな俺を
作戦決行日の数日前、太平洋上に熱帯低気圧が出現した。 ……そいつは海水温上昇による水蒸気を吸って成長し、巨大な台風へと変貌した!
気象庁によると、台風の勢力を示す中心気圧は960ヘクトパスカル、中心付近の最大瞬間風速が30メートル以上になるとみられる……という……。
「
長瀬は小声で「最悪です……。 今、アティロムに行って確認して来たんですが、
「……って事は、今回の夏祭りが延期になったら……」
「……残念ながら……計画は断念するしかない…ですね」
更に、長瀬が続ける。
「今回は初めてだったので俺も誘い
「……」
長瀬が「申し訳ありません! 俺が夏祭りなんて言ったばかりに……」と、頭を下げた。
「何を言ってるんだ! お前は何にも悪くない!! 全部、俺の身勝手なんだから、本当に気にするな!」
長瀬は頭を上げない……。 俺は思いっ切りの作り笑顔で……
「お祭りが延期になったら、俺たちだけで行って、残念会でもやろうぜ! ……それに、お参りしたら、浴衣の可愛い
……長瀬は、もう一度頭を下げて、仕事に戻って行った。
……今度ばかりは、大自然の猛威が相手だ。 勝ち目が無い……。
……やはり、俺の幸せは
……諦めの良さが……俺の長所……だから……。
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