第8話 仏頂面

 ……先日の、落合さんのWeb小説について情報参謀や通信参謀に確認したが、案の定そんな事実は無いそうだ。


 ついでに、俺の悪夢についても聴いたら、調査してくれる事になった。




 ……ユイは、この前の夜から、何か様子がおかしい。 何故か俺を避けてる? 感じだ。


 まあ、俺は鷹音ようおんさんと連絡を取り合うのが日課になっていて、ユイに気を遣う余裕は無いのだが。




 数日後……久しぶりに俺の部屋で、長瀬の昇進祝いと、俺の鷹音ようおんさん攻略作戦の進展を祝して『祝賀会』を催した。



たいらさんにも、やっと春が来たって感じですね!」


 長瀬が笑顔で言った。  ……横では、青木さんが、俺に向かって手をヒラヒラさせて花道を作り、祝福してくれている。


 こいつら、側にいると幸せな気分になるなあ。

 

 ……喜びに湧く我々人類の横で、衛鬼兵えいきへい総帥・ユイは仏頂面をしている。



 長瀬が「ユイ閣下はどうしたんです?」と聴いてきた。


 ……俺も判らないんだよ……。


 青木さんは暫く考えて、長瀬に何か耳打ちした。 ……そして「じゃあ、お願いしま〜す」……と、俺と長瀬に声をかけた。


 長瀬は、俺に目配せして「了解! 平さん、行きましょ!」と、俺を引っ張って外に出た。


 青木さんが、ユイと話をしてくれるらしい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る