第17話『エラー』

 総参謀長が、例の低音の魅力ボイスで……


「情報参謀……『模擬戦闘シミュレーション』の結果を示せ」と言った。


 他の参謀たちは勝利を確信しているのか、そっぽを向いて退屈そうにしている。


 ……ところが……だ! 


 情報参謀は、青ざめて(いるのかどうか、良くは分からなかったが…)こう言った。


「『戦闘継続不能エラー』…我々は敗北しました」


 壁面のモニターは、全て『ペケ』を示している。



 参謀たちが、驚いて全員立ち上がった。 議事ドーム内は、文字通り大揺れだ!


 彼らは「信じられぬ!」「そんな、バカな!」などと言い、中には「電算機が故障したのか?」と情報参謀に掴みかかる者もいた。


 参謀たちの取り乱しように、ユイは腹を抱えて笑っている。 本当に良く笑うだ。


 参謀長が俺に向かって何かを言おうとしているのが見えた! これ以上は、鼓膜がたない! 俺は慌てて机にもぐり、耳を押えた。


「閣下! 隠れている場合ではありませんぞ! これは一体どういう事ですか??」


 ユイは、笑い泣きしながら……「参謀長、声がデカい。もう少し小声で話せ」と言ってくれた。


 さらに続けて、机の下の俺に向って「みなに回答と解説をしてやってくれ」と言った。


 ……机から這い出ると、参謀達が俺の前に集まっていた。


 あ、圧がすげぇ!!



********************


 聡明な『人類』の読者の方なら、この答え、もうおわかりですよね。

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