第10話 解答
……俺は
「答えは『自分も、敵と同じ部屋に入る』です」
作戦参謀が進み出て「何をバカな事を。死んでしまうではないか!」と言った。参謀たちも、その
俺は続けた
「皆さんは、こうお考えでしょう。『致死性ウィルスに感染した敵』を『閉じこめたり、殺害した』
全員が
「ところが、その『感染した味方』を抹殺した者は、『致死性ウィルス』に感染してしまい、感染はさらに拡がります。さあ、どうしますか?」
作戦参謀が「当然、ウィルスに感染した
「お気づきですね。感染者を閉じ込めたり、殺害する度に感染が拡大し、やがて……」
そう言って、俺は、
作戦参謀は、悔しげに
「自分らは……絶滅する」……と小声で答えた。
「そうです。この問題は、『自分だけが生き残れば良い』と考えている限り解けません」
更に、俺は続けた。
「他者を救う為に自分が『犠牲』になる。 皆さんには思いもよらない事でしょう」
情報参謀を向き「
……と言うと、情報参謀は大きく身を乗り出した。
「『自分より大切な人々を守る為に、一番大事な自分の命をも投げ出すことが出来る心』……それこそが、我々人類が持ち、
俺は作戦参謀に向って「人類が、俺のせいで滅亡してしまうような事になるなら、俺は『恋人』など要りません」と言い、席に戻った。
「素晴らしイ。 わたくし達には想像もつかなカッタ!!」……と言ってくれた。他の参謀たちも、徐々に賛同し始め、ついには、スタンディングオベーションのようになっていた。
……今までの人生で、こんなに褒められた事など無い。
……褒めてくれたのが、人類では無いのが、やや不服ではあるが、まあ、喜んでおこう。
ユイは、黙って俺たちのやり取りを聴いていたが、満足げに……
「貴様を司令官に任命した、あたしの目は間違っていなかったであろう」
……あれ? 偶然……って言って無かったっけ?
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