第7話 これが能力格差って言うやつか。

 MPの使用料が全てわかったところで、私は、ある仮説を思いついた。


 薬師の能力は、材料のMP代用が出来ることではないか?ということ。


 これが真実なら、(MPさえあれば)なかなかにチートな能力だ。

 だって、貴重な材料を使わなくても、(MPさえあれば)薬が作り放題なのだから。


「他に、どんな薬が作れるのかな……?」


 脳内の薬物知識を意識してみる。

 すると、いっきに知識が脳裏に流れ込んでくる。


「うぉわっ!!」


 目の前が一瞬だけちかりとしたが、何とか理解できた。

 (MPさえあれば)作れる薬品の数々。そのなかには、HPMPの回復効果だけでなく、ステータス上昇や減少、毒物もたまに混じっている。


「材料も、わかる。」


 つまり、


「これ、チートってやつになる………MPさえあれば。」


 一人で、シリアス(笑)をやっていたところ、ポーンという音が脳裏に響いた。


[生成(薬品)のレベルが上がりました]

[薬物知識のレベルが上がりました]

[MPのステータスが上昇しました]

[精神力のステータスが上昇しました]

[知力のステータスが上昇しました]


 あ、アナウンスさん(仮)。

 レベルアップやステータスアップの時にはよく流れるらしい。

 ぼんやりと聞いていると、聞き捨てならないことをアナウンスさん(仮)が言う。


[アビリティ【精神汚濁耐性】を手にいれました。]


「ファッ!?」


 あわててステータスチェックをしてみると、新しく精神抵抗というアビリティが増えていた。

 効果を見てみれば、「魔法やその他の効果による精神汚濁に対する耐性。レベルが高ければ高いほど抵抗できる。」となっている。


「い、一体、どういう理由でこんなのが?」


 訳がわからなかったが、どうやらアビリティは新しく習得できるらしい。

 ……軍の訓練、しっかりやっていたら何かアビリティが手に入るのかな?




 ちなみに、後日、クリストさんにこの事を聞いてみたところ、めちゃくちゃ謝られた。


 精神汚濁耐性は、精神的に消耗しているときにつく耐性らしい。つまり、私の胃袋に穴が空きかけていたということだ。


 アビリティを手に入れたきっかけが薬物知識だっただけでそれなりに危ない状態だったようだ。



…………うん。頑張ろう。


____________________________________________________________________


 名前 足名 のの

 種族 人間  レベル 1

 ジョブ 薬師

 HP 21 MP 14(2UP) 筋力 16 知力 27(2UP) 瞬発力 16 精神力 27(2UP)

 アビリティ 生成(薬品)【3】(1UP) 薬物知識【2】(1UP) 精神汚濁耐性【1】(new!)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る