第31話 だいにそー

 二層についた私達は、罠や魔物に気をつけながら探索を続けていく。


 ふと、葵ちゃんが口を開く。


「お昼御飯は三層の広場で取るのですよね?」

「ええ、そうです。」


 クリストさんが答える。


「このペースで大丈夫なのですか?」

「まあ、地図はありますし、余程のことがない限り時間には間に合うと思いますよ。」


 笑顔でそう言うクリストさん。


 ……あれー、余程のことが起きそうな気がしてきたぞ。




 出てきたゴブリンやスライムを倒しつつ、私達はダンジョンを探索する。


 その時、クリストさんが、「あっ」という声を挙げた。


「どうしました?」


 剣野くんが周囲を警戒しつつクリストさんに聞く。

 クリストさんは、酷く申し訳なさそうな顔をしてから言った。


「すいません。地図を読み間違えていたようです。」

「「「えっ」」」


 遠回りになってしまうので、昼食に間に合わなくなる可能性があります。クリストさんはそう言う。


 結局、三層の広場には、集合時間から二時間ほど遅れて着いた。





「今回はクリストやマエダを罠に嵌めるんだっけか?」


 背の低い兵士が、痩せた兵士に聞く。

 痩せた兵士は壁に細工をしながら頷く。


「ああ、俺お手製のえげつない連続罠を使ってクリストとマエダを殺害する。」

「本当にえげつないよな、お前のそれ。落とし穴はブラフで、それに気をつけて避けようとしたところにギロチンだろ?例えそれが当たらなかったとしても弓矢が頭に突き刺さるとか、鬼以外の何者でもないだろ。」

「ああ。徹夜して作った罠だ。刃物には毒が塗ってあるから、もし外れてもどうにでもなる。」

「すげえな。じゃ、来るまで待とうぜ。」




「………来ないな。」

「……俺の徹夜の意味ェ……。」

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